フラッシュ2023年6月5日
NEDO、廃材からレアアースを分離精製する技術開発に投資
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、「部素材からのレアアース分離精製技術開発」で、切削くずや使用済み部品などの廃材からレアアース(希土類元素)を分離精製する技術を開発する研究テーマ2件を採択した。事業期間は2023年度から2027年度の5年間を予定しており、事業規模は5年間総額で17億6000万円となる予定。電気自動車や風力発電機などで使用するネオジム磁石に必要なジスプロシウムやテルビウムを回収する技術を確立して、国内での資源供給の安定化と、供給リスク解消を目指す。
今回採択されたテーマは「未利用資源からの重レアアース回収技術の開発」と「ディスプロシウム/テルビウムの高精密相互分離技術及び精錬技術の開発」の2件。前者では廃材からレアアースを選択的に回収する技術を開発する。後者は研究開発項目が「高精密相互分離技術の開発」と「新規電解還元法の開発」に分かれており、高精密相互分離技術の開発ではジスプロシウムとテルビウムを高い精度で分離する技術を開発し、新規電解還元法の開発では、廃材から分離したジスプロシウムとテルビウムを原材料に再生する精練技術として新規電解還元法を開発する。この製錬技術では、消費エネルギー量の削減と環境負荷の低減も目指す。
未利用資源からの重レアアース回収技術の開発には三徳と千葉大学が参加する。ディスプロシウム/テルビウムの高精密相互分離技術及び精錬技術の開発のうち、高精密相互分離技術の開発には三徳、エマルションフローテクノロジーズ、日本原子力研究開発機構、佐賀大学、神戸大学、鹿児島大学、大阪大学が参加し、新規電解還元法の開発には三徳、大阪大学、京都大学、早稲田大学が参加する。
(笹田)
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