フラッシュ2023年12月26日
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実験・計算・AIを融合した材料解析の新手法を構築=名大など
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]名古屋大学、東北大学などの共同研究チームは、実験・計算・人工知能(AI)を融合した材料解析手法(同チームは「多結晶材料情報学」と呼んでいる)により、複雑な多結晶材料の転位発生メカニズムの解明に成功。多結晶シリコン太陽電池の性能低下の要因であることが知られている結晶欠陥「転位クラスター」の発生メカニズムの解明を通して、同手法の有用性を示した。
研究チームは、メートルスケールの太陽光パネルに用いられる多結晶シリコンの画像データに独自開発したAIを適用し、仮想空間に多結晶材料の3次元モデルを作成。その3次元モデルを利用することで、転位クラスターの発生領域を特定した。さらに、その領域の電子顕微鏡観察と理論計算を連携させることで、粒界が、ナノスケールの階段状のファセット(原子が面状に並んでいる状態)構造を形成して曲がることで転位が発生するメカニズムを解明した。
今回の成果は、「多結晶材料情報学」が多様な多結晶材料の未解明現象の解明に有用であることを実証するものであり、革新的な多結晶材料創成への貢献が期待されるという。研究論文は、2023年12月11日付アドバンスト・マテリアルズ(Advanced Materials)オンライン版に掲載された。
(中條)
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