フラッシュ2024年4月26日
-
生物工学/医療
マウス実験でネオンカラー錯視の脳内メカニズムを解明=東大など
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東京大学とマックス・プランク生物サイバネティクス研究所の研究グループは、マウスがネオンカラー錯視を見ていることを初めて実証した。オンカラー錯視とは、実際には存在しない色や光が見えるという現象で、今回の研究でマウスが人間と同様に錯視を経験することが示された。
研究グループはまず、ネオンカラー錯視によって生じる見かけ上の明るさの変化に、マウスの瞳孔が反応することを確認した。これは、ヒトと同様にマウスが錯視を見ている可能性を示しているという。また、オプトジェネティクスと脳の侵襲計測を組み合わせて、錯視がどのように脳によって処理されるかを調べた。その結果、特に、第一次視覚野のニューロンが高次視覚野の活動によってどのように影響を受けるかを明らかにし、錯視に対する高次視覚野の重要な役割を確認した。
この発見は、視覚情報の処理における高次の神経活動がどのように錯視を引き起こすかを理解する上で新たな洞察を提供し、視覚錯視の研究だけでなく、視覚に基づく神経障害の治療法開発にも寄与する可能性がある
研究成果は4月23日、ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)にオンライン掲載された。
(笹田)
-
- 人気の記事ランキング
-
- The winners of Innovators under 35 Japan 2024 have been announced MITTRが選ぶ、 日本発U35イノベーター 2024年版
- Kids are learning how to make their own little language models 作って学ぶ生成AIモデルの仕組み、MITが子ども向け新アプリ
- AI will add to the e-waste problem. Here’s what we can do about it. 30年までに最大500万トン、生成AIブームで大量の電子廃棄物
- This AI system makes human tutors better at teaching children math 生成AIで個別指導の質向上、教育格差に挑むスタンフォード新ツール