フラッシュ2024年5月31日
-
生物工学/医療
hTERTのがん細胞増殖促進機能、治療の新ターゲットに
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]国立がん研究センター、がん研究会、東海大学、金沢大学、琉球大学、東北大学の研究グループは、テロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)によるがん細胞の増殖促進の新たなメカニズムを発見した。これまでhTERTはテロメアを伸長して、細胞の分裂回数の限界を延長すると考えられてきたが、細胞のがん化を促進する機能が別に備わっていることが分かった。
研究チームは、hTERTがRNAを合成する能力が、細胞ががん化する過程で重要な役割を果たしていることを突き止めた。特に、hTERTが生成するRNAが、がん細胞の増殖に必要であることをマウスモデルを用いて実証した。さらに、hTERTがR-loopと呼ばれる異常なゲノム構造に結合していることも発見され、この結合ががん細胞の細胞死を回避し、細胞が増殖するために役立っていることが明らかにされた。
発見は、がん治療においてhTERTをターゲットとする新たな治療戦略の開発につながる可能性があり、がん治療の新しい道を開くことが期待される。研究成果は5月28日、ネイチャー・セル・バイオロジー(Nature Cell Biology)誌にオンライン掲載された。
(笹田)
6月5日10時20分更新:本文に一部誤字がありました。掲載中の記事は修正済みです。
-
- 人気の記事ランキング
-
- It’s time to address the looming crisis in entry-level work. 「コーディングを学べ」もう通用せず、AIが若者の雇用を奪い始めた
- Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
- Anthropic’s Code with Claude showed off coding’s future—whether you like it or not 「Claudeに任せてしまおう」 たった1年で激変したソフトウェア開発
- A reality check on the AI jobs hysteria 「ホワイトカラー消滅」 まだデータに兆候なし ——ただし若者に警戒信号
- Inside the stealthy startup that pitched brainless human clones 「臓器袋」から全身置換へ ステルス企業R3が隠す 「脳なし」クローン計画
