KADOKAWA Technology Review
×

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

チャット転送回数の制限はデマ拡散防止に有効、MITチームが報告
PIxabay
Limiting message forwarding on WhatsApp helped slow disinformation

チャット転送回数の制限はデマ拡散防止に有効、MITチームが報告

ワッツアップ(WhatsApp)は2019年1月、デマの拡散を遅らせることを目的に、メッセージの転送制限を導入した。具体的には、256回(グループ)まで転送可能だったものを、わずか5回までに制限したのだ。最新の研究は、この変更が効果を発揮しているものの、まだ不十分であることを示している。

デマを巡って、フェイスブックとツイッターの動向が注目されている。だが 、ワッツアップはブラジルインドの選挙に影響を与えており、ニューヨーク大学の最近の報告は、より強く懸念すべきプラットフォームの1つだと強調している。

ワッツアップ上のデマを観測するのは難しい。ワッツアップはフェイスブックやツイッターと違って、プライベートな暗号化されたチャット・ツールなので、会話の内容にアクセスできないからだ。したがって、転送制限のような新しい変更が、本当に機能しているかを確かめるのは難しい。今回の査読前論文の共著者であるマサチューセッツ工科大学(MIT)のキラン・ガリメラ博士研究員は、「インド出身の私は、最近実施された選挙の期間中、転送制限にはそれほど効果がないとの声を聞きました」と述べる。だが、そうした意見は主流ではなかったようだ。

当然ながら、ガリメラ研究員らの研究チームははプライベート・チャットにはアクセスできなかった。だが、ワッツアップ には誰でも参加できる巨大な公開グループが無数に存在しており、候補者たちが有権者に接触するために公開グループを利用することが増えている。そこでガリメラ研究員らは、ブラジル、インド、インドネシアに存在する数千組の公開グループに参加した。およそ600万件の公開メッセージを収集して分析することで、ネットワークを再構築。転送制限が情報の広がりや速度をどれほど抑えられるかをシミューレーションした。

その結果、転送制限を5回にすることで、情報の拡散を約10分の1に遅らせることができると分かった。研究チームによると、この新たな制限下ではメッセージの80%が2日以内に消え去ったが、実験期間中、20%は依然として非常に高い拡散力を維持し、ネットワーク全体に広まったという。実験は公開データのみを使用しているため、完璧な結果ではない。しかし、小さな修正によって得られる可能性のある効果を示すものだ。

今回の実験で、特定のメッセージや特定の人物からのメッセージの転送をワッツアップが直接制限する「隔離」的なアプローチが、より効果的なものになる可能性があると研究チームは見ている。「ワッツアップはどの情報が注目されるか分かっています」。事実確認を担うファクト・チェッカーは、その情報が正しいかがどうか判断できる。「ファクト・チェッカーはその情報を誰が発信し、シェアしたかが分かるので、悪意のあるユーザーや情報に制限をかけられます」。

ワッツアップの広報によると、転送制限によってワッツアップ上で転送されるメッセージの合計数が25%減少したという。ワッツアップはユーザーにチェーン・メッセージに受信したことを知らせる新たなラベルを実装し、インドで事実確認サービスを立ち上げた

angela.chen [Angela Chen] 2019.10.01, 10:01
宇宙ビジネスの時代

かつて国家主導だった宇宙開発がいま、大きく変化している。テクノロジーの進化とリスクマネーの流入によって民間企業による宇宙開発が加速し、自社の事業拡大に宇宙を活用しようとする「非宇宙」企業やベンチャー企業の動きも活発だ。いまなぜ「宇宙」なのか? そのヒントとなる記事を集めた。

記事一覧を見る
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る