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AIは地球を救う? マイクロソフトが環境保護PJへの投資を拡大 Microsoft Announces $50 Million for Its “AI for Earth” Project

AIは地球を救う? マイクロソフトが環境保護PJへの投資を拡大

人工知能(AI)が世界を滅ぼすという話は、巷にあふれている(『2001年宇宙の旅』や『ターミネーター』といった映画、イーロン・マスクの一連のツイートなど)。一方で、AIが世界を救うという話はあまり聞かないものの、それを信じる者もいる。

12月11日、パリ協定の2周年を記念した集会で、マイクロソフトは地球の未来のためにAIを活用するプロジェクト「AI for Earth」へ5000万ドルを投資すると表明した。AI for Earthは「地球環境を大きく変える手段」になり得るという。

この夏、マイクロソフトは当初200万ドルの資金でAI for Earthを立ち上げ、ルーカス・ジョッパを主任環境科学者として迎えた。ジョッパが知る限り、他のテック企業には見られない役職だという。プロジェクトの立ち上げ以降、マイクロソフトは10カ国の35団体に助成金を交付した。新たな投資額である5000万ドルは、現行のプロジェクトだけでなく、今後5年間、新しいベンチャー企業の支援へと拡大を図るために使われる。

「私たちだけでなく、多くのパートナーも我慢の限界に来ています」とジョッパ環境科学者はMITテクノロジーレビューに語った。「環境問題に真剣に取り組んでいる人への資金や資源が不足しています」。

AI for Earthの助成金は、アジュール(Azure)プラットホームやマイクロソフトのAI製品の利用、トレーニングのために各種団体に交付される。これまで助成金を交付されたプロジェクトには以下のようなものがある。自然保護を目的としたチェサピーク湾流域の精度の高い土地被覆図(コンクリート、森林,水面,土壌といった地表面の物理状態をあらわす地図)の作成、研究者が血液分析により野生生物の数を調べられる蚊の追跡プログラム(ジカ熱の大流行の早期警戒システムにもなる)、少ない資源で収穫を増やためのデータを農家へ提供するプロジェクトなどだ。

もちろん、AI for Earthはマイクロソフトの収益にも貢献する。マイクロソフトが提供する技術が、資金力に乏しい小規模団体の現場で過酷な条件下で使われれば、製品に対する意見や反応が得られるし、目的通りに使えるシステムかどうか確かめられる、とジョッパ環境科学者はいう。「いつでもAI技術のストレステストができるのがよい点です」。

AI技術者の確保や採用は、テック業界にとって大きな懸念材料となっている。研究者や開発者を惹き付けることもAI for Earthの使命だ、とジョッパ環境科学者はいう。

「もちろん、相応の報酬は必要です。ですが、有意義な仕事の提供も大切なのです」。

jackie.snow [Jackie Snow] 2017.12.13, 12:06
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