暗号通貨バブル崩壊でもアクセル全開、バイナンスの「ヤバい」戦略
暗号通貨取引所バイナンス(Binance)の勢いが止まらない。だが、脱法的とも言える同社の手法がいつまで通用するのか、先行きは不透明だ。 by Mike Orcutt2019.04.12
ブロックチェーンの世界の大半が暗号通貨の「冬の時代」を実感している。だが、世界的に大人気の暗号通貨取引所「バイナンス(Binance)」は、どうやら独自の景気感覚を持っているらしい。市場が全般的に下降する中、バイナンスは2017年の強気相場から始まった華々しい成長を続けている。その大きな理由として、バイナンスがいまでもこの強気相場が終わっていないかのように振舞い続けていることが挙げられる。
特に新規暗号通貨公開(ICO)にまつわる市場の熱狂ぶりに関してはそうだ。ICOトークン販売用に新たなプラットホーム「バイナンス・ローンチパッド(Binance Launchpad)」を開設し、今年すでに3回のICOを実施している。3月下旬だけでもセラー・ネットワーク(Celer Network)というブロックチェーン・スケーリングのスタートアップ企業が、ローンチパッド経由で20分もたたないうちに400万ドルを調達した。
だが、バイナンスの全体戦略は、世界中の政策立案者と一か八かのいたちごっこを繰り返し、規制上の説明責任を回避することに依存しているように見える。この戦略には当然ながら、いつかは捕まってしまうというリスクが伴う。
バイナンスは利用者の身元確認に関する規則が比較的緩いことで知られ、米国や西ヨーロッパ、その他の主要経済国におけるマネーロンダリング防止規則に抵触し …
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