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顔認識でポルノ出演女性を特定、残念なプログラマーのひと騒動
Ms.Tech; Original photo from Pixabay; Photo posed by models
The guy who made a tool to track women in porn videos is sorry

顔認識でポルノ出演女性を特定、残念なプログラマーのひと騒動

ソーシャルメディアに登録された女性の顔写真を収集し、顔認識テクノロジーを使ってポルノサイトの画像と照合するサービスを開発したプログラマーが非難を浴びている。危険な悪用を防ぐためにも、プライバシー保護の世界的な取り組みが必要だ。 by Angela Chen2019.06.11

ドイツを拠点に活動する中国人プログラマーが激しい怒りを買っている。女性が過去にポルノに出演していたかどうかを「特定する」ために、顔認識テクノロジーを使ったとの疑惑だ。当の本人は非難されて以来、プログラムとデータをすべて削除したと発言しているが、あまりにも身勝手な行動だ。だが、こうしたサービスは欧州のプライバシー関連法には違反しているものの、その他の地域では問題にならないだろう。

ソーシャルメディアに登録されている女性の顔写真と、「ポルノハブ(Pornhub:カナダの大手ポルノ動画サイト)」のようなサイトの画像とを照合する世界規模のシステムが実際に機能した、あるいは少なくとも存在したという証拠はいまのところない。とはいえ、顔認識テクノロジーを使えばそれは実現可能であり、恐ろしい結果をもたらすだろう。

「人々に死に値する苦痛を与えるでしょう」。性的プライバシーの侵害を専門とする弁護士で、近刊『 Nobody’s Victim: Fighting Psychos, Stalkers, Pervs, and Trolls(被害者にはならない:精神異常者、ストーカー、変質者、荒らしとの闘い)』の著者であるキャリー・A・ゴールドバーグは話す。「もっとも悪質な嫌がらせを受けた私の依頼人の中に、過去にポルノビデオへの出演経験がある人がいました。たいていは人生で一度だけで、時には、だまされて気づかないうちに出演したケースもあります。ポルノに出演した経験のある女性を割り出し、それをネット上に投稿して個人情報を晒すことを趣味とするインセル文化の存在こそが、彼女たちの人生を台無しにしているのです」。

※「インセル(Incels)」または「不本意な独身者(involuntary celibates)」とは、自身が望んでいるにも関わらず、女性によって拒絶されているために性的関係を持てないと主張する、女性蔑視の男性によるネット上のサブカルチャーのこと。

欧州連合(EU)のGDPR(一般データ保護規則)プライバシー関連法はこのような事態の発生を防ぐものだ。 冒頭のサービスについて中国のソーシャルネットワーク、ウェイボー(微博、Weibo)に投稿したプログラマー本人は当初、情報を公開していないのでまったく問題はないと主張していた。だが、ドイツの法律事務所「ノイヴェルク(Neuwerk)」の共同経営者でデータ保護の専門家であるベリエ・ジーガー弁護士は、単にデータを収集するだけでも、当該女性の同意がなければ違法だと話している。これらの法律はEU域内の居住者から得た情報に適用されることから、当のプログラマーがEU内に住んでいない場合でも適用される。

GDPRの下では、個人データ(特に機密性の高い指紋、声紋などのバイオメトリック・データ)の収集は、特定された合法的な目的に基づく必要がある。 ポルノへの出演経験の有無を判断するためにデータを収集することは、これには当てはまらない。また、もしこのプログラマーが収集した情報にアクセスするために金銭を請求していれば、ドイツの刑法に基づき、最長3年間の服役を科される可能性があるとジーガー弁護士は指摘する。

米国の女性たちもまた、保護されている。 連邦法にはプライバシー保護関連法は存在しないものの、カリフォルニア州にはこの種のデータ収集を阻止する強力なプライバシー保護法がある。ガーマ法律事務所の共同経営者で、プライバシー保護の専門家であるクリスティーナ・ギャグニアー弁護士の説明によると、カリフォルニア州は非常に多くの居住者と産業を抱えており、データは州の境界線を越えて行き交うため、結局は米国内の他の地域にもプライバシー保護法が適用されることになる。

それでもまだ、他の多くの国の人々は危険に晒されたままままだ。 5月30日の夜、冒頭のプログラマーにウェイボー経由で連絡を取ってみた。当の本人は、顔認識テクノロジーを使ったサービスは実際に存在したと主張し、法的な問題を起こしたことを認めた。このプログラマーは世間を騒がせ、迷惑をかけたことを反省しているという。 だが、顔認識テクノロジーを使ったサービスを構築できるのも、あるいは危険な目的に使うことに関心を抱いているのも、彼だけではない。 世界的なプライバシー関連法に関心を持つ政策立案者は、将来を見据えて動き出す必要がある。

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