KADOKAWA Technology Review
×
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
生物工学/医療 Insider Online限定
A natural biomolecule has been measured acting in a quantum wave for the first time

生体分子の「波」としてのふるまいを初めて測定=ウィーン大学

量子力学では、すべての物質は波と粒子の両方の性質を備えるが、巨視的な物質では波としての性質を測定することは難しい。ウィーン大学の研究者らは、生体分子が示す波としての性質を実証する自己干渉パターンの測定に初めて成功した。この実証実験は量子生物学の新時代に道を開くものとなるだろう。 by Emerging Technology from the arXiv2019.11.21

量子力学では、物体は粒子のようにふるまうと同時に、波のようにもふるまう。この不可思議な現象は粒子と波動の二重性と呼ばれ、量子力学で最も難解な概念の1つだ。

これまで、電子や光子などの単一粒子が波のように自己干渉することは多数の実験で示されてきた。中でも有名なのは、粒子が2本のスリットを同時に通過する二重スリット実験だ。

あらゆる物体は本質的に量子であるため、すべての物体は波長を持つ。したがって、原理的には、十分に感度の高い実験をすれば、巨視的な物体も同様の粒子と波動の二重性を示すはずだ。

物理学者は、非常に大きな物体の波としての性質を測定する方法をまだ考え出していないが、この分野への関心は着実に高まっている。1999年にはフラーレン分子で粒子と波動の二重性が実証された。それ以降、さまざまな研究グループによってフラーレン分子より大きな分子での実証実験がなされてきた。

これらの実験から、どれくらい大きな分子まで実証可能かという興味深い疑問が提起される。たとえば、生体分子の量子特性を測定できるのだろうか。

ウィーン大学(オーストリア)のアーミン・シャエギ博士らの研究チームは、15個のアミノ酸で構成される天然抗生物質であるグラミシジン分子の量子干渉を初めて実証した。この研究は、生体分子の量子特性を研究する道を開き、酵素、デオキシリボ核酸(DNA)、そしておそらく将来的にはウイルスなどの単純な生命体の量子性質を探る …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. A new US phone network for Christians aims to block porn and gender-related content ポルノもLGBTも遮断、キリスト教徒向けMVNOが米国で登場
  2. Musk v. Altman week 1: Elon Musk says he was duped, warns AI could kill us all, and admits that xAI distills OpenAI’s models 「オープンAIを蒸留した」マスク対アルトマン第1週、法廷がざわめく
  3. Will fusion power get cheap? Don’t count on it. 核融合は本当に安くなるのか? 楽観論に「待った」をかける新研究
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る