KADOKAWA Technology Review
×
10/9「生成AIと法規制のこの1年」開催!申込み受付中
2020年、プラットフォーム企業は変われるのか?
AP / Jose Luis Magana
倫理/政策 無料会員限定
2019 is the year tech finally started to deal with 2016

2020年、プラットフォーム企業は変われるのか?

2019年は社会に対して大きな力を持つようになったプラットフォーム企業に対する風向きが大きく変わった年だった。大統領選を控えた2020年、企業は自ら変わることができるのだろうか。 by Angela Chen2020.01.03

2016年11月の米大統領選でドナルド・トランプが予想外の勝利を収めたことは、政治のみならずテクノロジーにとっても1つの大きな転換点となった。社会におけるテクノロジーの役割に関する語り口は急速に変わり、巨大テック企業は民主主義を損なっているとして非難を浴びた。次の大統領選挙が迫っているが、この3年間にあまり大きな歩みがあったとは言い難い。

問題そのものがより明確になったことは確かだ。ロシアのインターネット・リサーチ・エージェンシー(IRA)が大量の荒らしを使って選挙を操作しようとしたことがすでに明らかになっている(上院情報委員会も同様の結論に至っている)。 フェイスブックとツイッターはプロパガンダ用アカウントを厳しく取り締まっているし、フェイスブックは少なくとも今回、大統領選におけるデマ対策の具体的な計画を用意している。

だが、多くの問題は未解決のままだ。ロシアがボットを利用していたことは分かっているが、そのことで実際に人々の考え方が変わったのかどうかは明らかになっていない(実際のところ、フェイクニュースの害についてはさまざまなことが語られているが、複数の研究がテクノロジーを介した説得にはそれほど効果がない可能性を示している)。デマはいまだに世界中で増加を続けているようだ。セキュリティ・プロバイダーのクレアウドフレア(CloudFlare)はエイトチャン(8chan)を排除した 。エイトチャンは暴力的な過激派のたまり場として悪名高いサイトで、銃撃事件とのつながりが明らかになったことでクラウドフレアからサービスの提供を打ち切られた。だが、現在は「エイトクン(8kun)」として復活している。

言論の自由とプラットフォームのガバナンスに関するこうした巨大で厄介な問題が、すぐに解決するとは誰も期待していないだろう。だが2016年から現在までにさまざまな出来事があったにもかかわらず、実際に対策が形になり始めたのは2018年からだ。おまけに、その多くは熟考を重ねたものとは言えないようなものだった。

これに関しては、現在進行中の政治広告を巡る攻防以上に明白なものはない。大手テクノロジー・プラットフォームは対応の遅さの点ではどれも似たようなものだが、問題への対処の仕方はそれ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Promotion MITTR Emerging Technology Nite #30 MITTR主催「生成AIと法規制のこの1年」開催のご案内
  2. A brief guide to the greenhouse gases driving climate change CO2だけじゃない、いま知っておくべき温室効果ガス
  3. Why OpenAI’s new model is such a big deal GPT-4oを圧倒、オープンAI新モデル「o1」に注目すべき理由
  4. Sorry, AI won’t “fix” climate change サム・アルトマンさん、AIで気候問題は「解決」できません
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年も候補者の募集を開始しました。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る