MITテクノロジーレビュー[米国版]に寄稿する方法
MITテクノロジーレビュー[米国版]は専門的知識を持つ執筆者による寄稿を受け付けています。説得力のある主張をするためのガイドラインを紹介します。 by Amy Nordrum2020.10.17Promotion
MITテクノロジーレビューはエマージングテクノロジーの最新動向をお届けしています。私たちは、テクノロジーとテクノロジーが導く未来について、十分根拠のある刺激的で興味深い意見を持つ皆様からの連絡を心から歓迎します。
オピニオン(意見記事)は大抵、最新の一大ニュース(MITテクノロジーレビューの考える「最新」とは通常「過去1〜2日」)または一般的に重要で広く注目を集めているトピックのいずれかに関連している必要があります。かなり斬新な意見であれば、時代を超えたアイデアも採用することがあります。
そのオピニオンを執筆するのがなぜあなたなのか、納得できる根拠も必要です。多くの場合、その分野の専門家というのが理由になります。
オピニオンを売り込む方法
オピニオンはさまざまな形式が可能です。ほとんどの場合、一般の人々に重要な問題を認識させ、どのような解決策で対処すべきか、専門家としてのあなたの意見を伝えることがオピニオンの役目です。
MITテクノロジーレビューでは通常、あまりにも明白でありふれたアイデア(「気候変動対策がもっと必要」または「もっとオープンガバメントデータが必要」)やニッチすぎるアイデア(多くの人が注意を払うべき理由を説明できない)はお断りしています。興味深い特定の問題に関する意見でありながら、専門家以外の人も関心を寄せる話題で、真剣に検討するに値する妥当な解決策を提供するものである必要があります。
概して、一度に複数の論点を主張するよりも、非常に説得力のある1つの論点を主張する方が好ましいです。あなたのアイデアを論証するために必要となる証拠を選定し、その情報をピッチ(アイデアを簡潔にまとめた提案書)に含めてお送りください。すべてを網羅した総合的な概説を提示しようとせず、あなたの最も説得力のある主張を提示することに重点を置いてください。
あなたのピッチをopinion@technologyreview.comまでメールでお送りください。すでに執筆済みの記事がある場合は、それを送信していただいても構いません。それ以外の場合は、あなたの主張、そしてあなたにそれを主張する資格がある根拠を、3、4段落の短い文章にまとめてお送りください。見出しとして使える、あなたの主張の要約を一文にまとめ、太字で表示してください(この一文を思い付くことができない場合は、もっとアイデアを練る必要があるでしょう)。
ピッチを具体化し、記事自体の執筆にも役立つガイドを以下に紹介します。
オピニオンの書き方
あなたがそのテーマについて何も知らない友人の友人に紹介された場面を想像しててください。どのように彼らの興味をひき、その興味を持続させ、自分の意見を理解させるのに十分な時間話を聞いてもらうか? あなたにとっては明白でも、相手にとっては明白ではない点はどこか?あなたにとっては平易な言葉でも、相手にとっては専門用語に聞こえる言葉は何か? あなたにとっては興味深い論点でも、相手にとっては不必要な詳細情報は何か? この会話を想像してみましょう。次に、その場面であなたが話すであろう内容をできるだけそのまま執筆します。
おすすめの記事構成は次のとおりです。この構成に従う必要はありませんが、あなたの考えを整理するのに役立つはずです。
最初に、問題点を説明します。前置きは最小限に。「フェイスブックの分割を求める人がますます増加している」などの一般によく知られている話題の場合は、前置きは抜きにして直接本題に入ってください。あまり知られていない話題の場合は、その話題にまつわる逸話で始めることを検討しましょう。抽象的に問題点を提示するよりも、問題の実例を挙げたストーリーの方が読者はイメージしやすいものです。
次に、問題の背景を説明します。まず第一に、あまりに有名な問題でない限り、なぜMITテクノロジーレビューの読者がその問題に注意を払う必要があるのか? その問題が読者と周りの人々にどのような影響を及ぼすのか? を説明します。
第二に、まったく新しい問題でない限り、なぜ今その問題を話題にするのか? その問題がより深刻または差し迫ったものになったのか? またはそれ以外の何らかの変更があったのか?新しいテクノロジーや政治的または経済的変化のおかげで、以前は不可能だった解決策が実行可能になったのか? を説明します。
第三に、これまでその問題を解決しようとする試みがあった場合、なぜその解決策は失敗したのか? また、現在他の解決策が提案または試行されている場合、なぜその解決策ではうまくいかないのか? を説明してください。
ここまで説明した後、問題の解決策を提示します。ただし、明確性に欠ける説明になってしまうことがよくあるので注意してください。読者が正確に何を意味するのか疑問に思うような曖昧な用語(「デジタル化」または「最適化」)は避けましょう。何をする必要があり、誰がそれを行うべきかを読者が十分理解できるように、詳細に説明してください。
次に、提案した解決策に対する読者の反論を予想します。提案する手段の一部を、読者は簡単または当たり前と感じるかもしれません。もしそうなら、なぜその手段の実行が困難なのか、またはこれまでその手段を妨げてきた障壁を説明しましょう。一方、提案する手段を、読者が世間知らず過ぎる、またはあまりに野心的だと感じることもあるでしょう。もしそうなら、それでもあなたが達成可能だと思う理由を説明しましょう。
ここで困難な点の議論を避けないことが大切です。最も困難な点に正面から取り組み、必要に応じてあなたの提案が機能するためには何らかの大変更が必要なことを認めるべきです。自分の理想を現実的にとらえる限り、理想を追い求めることは罪ではありません。また、もっと現実的な妥協点も存在するかもしれません。その妥協点の満足度がどれほど低いかを強調できる場合は、その点にも触れましょう。
最後に、明確で小気味良いまとめが欠かせません。尻すぼみの主張や、最後がつまらないと、あなたの主張は読者の印象に残らなくなってしまいます。最後のまとめは、執筆の最も難しい部分になることがあります。ここでいくつかのアプローチを紹介します。
1つは、問題によって何が危険にさらされているのかを再度強調し、問題が解決されなかった場合の影響を説明するアプローチ。しかし、それだけでは読者の気を滅入らせてしまう可能性があります。読者の意欲を掻き立てるには、問題が実際の印象よりも対処しやすい理由を提示します。もちろん、あなたがそう信じている場合に限ります。また、あなたの主張が、明確に特定の個人または組織に行動する責任があるというものである場合は、その相手に行動を起こすように訴えかけて終わることもできます。
どちらのアプローチを採用する場合でも、読者に読者自身が行動を起こす方法を提供できれば、さらにプラスです。個人的な習慣を変えたり、意思決定者に圧力をかけたり、その他何らかの行動を起こしたりすることで、読者が結果に影響を与えることができるでしょうか。 読み終わった後、無力感を感じさせるオピニオンが多すぎます。結局のところオピニオンを執筆するのは、世界をより良くできると主張するためです。人々がそれを信じる場合にのみ、それは現実となります。
基準とガイドライン
執筆するときは、一文や一段落があまりに長くならないように注意しましょう。長い文や段落は理解しづらいものです。読者が疲れてしまうのを防ぐために、可能な場合は短い文または段落に分割しましょう。
MITテクノロジーレビュー(米国版)が提供するほとんどのオピニオンの語数は800〜1000語(ワード)です。最初の原稿は、できるだけこの長さに近づけるのが一番です。あなたの見解を裏付ける証拠を提供し、ハイパーリンク(脚注ではありません)を使用して出典を引用します。
製品、会社、またはサービスを宣伝するオピニオンは受け付けていません。スポンサード・コンテンツチーム(Insights@technologyreview.com)までお問い合わせください。
また、気候変動を否定する記事も取り扱っていません。MITテクノロジーレビューでは記事内容に制限をあまり設けていませんが、これは数少ない制限の1つです。
MITテクノロジーレビューは通常、執筆を本業とする方にのみ原稿料をお支払いしています。原稿料を希望する場合は、最初のメールに記載してください。いずれにせよ、最初のある一定期間の独占出版権をMITテクノロジーレビューに付与する契約への署名をお願いすることになります。その期間後は、他の場所で自由に再公開できるようになります。
MITテクノロジーレビューは、オピニオンをまとめるための編集作業に協力しますが、形にするのに多大な労力がかかると思われる場合は、原稿を却下する場合があります。
オピニオンに関連する利害関係が存在する場合は、あらかじめ伝えていただく必要があります。それを理由に失格にすることはおそらくありませんが、オピニオンの掲載時に開示する必要があります。開示を怠り、後日明らかになった場合、あなたとMITテクノロジーレビューの評判は大きく落ちることになります。
このガイドラインはMITテクノロジーレビュー[米国版]のものです。
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- エイミー・ノードラム [Amy Nordrum]米国版 企画編集者
- ニューヨークを拠点とするMITテクノロジーレビューの企画編集者。新興技術とそれが私たちの世界をどう形作るのか、独創的なアイデアや意見を発掘して発表することに注力している。以前は、IEEE Spectrumのニュース責任者を務めていた。