KADOKAWA Technology Review
×
NASA探査機「ルーシー」が挑む、太陽系の最初期を訪れる12年の旅
NASA/Bill Ingalls
ビジネス・インパクト 無料会員限定
This NASA spacecraft is on its way to Jupiter’s mysterious asteroid swarms

NASA探査機「ルーシー」が挑む、太陽系の最初期を訪れる12年の旅

NASAの探査機「ルーシー」が、10月16日にフロリダ州ケープ・カナベラルから打ち上げられた。ビッグバン以来比較的変化がないとされる木星周辺エリアの小惑星群を調査することで太陽系の歴史を探る旅が今、始まろうとしている。 by Tatyana Woodall2021.10.18

米国航空宇宙曲(NASA)の探査機「ルーシー(Lucy)」が、12年間にわたる旅の序章を開始した。この探査機の名前は、人類という種の混沌とした起源について知見をもたらしたことで有名な人類祖先の化石人骨の名前にちなんでいる。

10月16日早朝に「アトラスV(Atlas V)」ロケットでケープ・カナベラルから打ち上げられたルーシーは、ビッグバン以来比較的変化がないとされる木星周辺エリアの小惑星の調査へと向かっている。太陽光で電力を得る宇宙船として、史上最も太陽から遠く離れた場所を探査する予定だ。

「ルーシーは、太陽系の惑星の進化についての私たちの理解を大きく変えることでしょう」。ルーシー計画の幹部の1人、アドリアナ・オカンポ博士は10月14日に開かれた科学メディア向け説明会でそう述べた。

ルーシーの推進力は主に液体燃料から得られるが、搭載機器は2つの巨大な太陽光パネルにより生成される電力によって作動する。ルーシーのテクノロジーは、火星探査機「マーズ・オデッセイ(Mars Odyssey)」や着陸船「インサイト(InSight)」、探査機「オシリス・レックス(OSIRIS-REx)」といった過去のミッションをその基礎に置ものだ。

ルーシーのミッションは、火星と木星のあいだで太陽の周りを回る密集群の中の1つの小惑星を …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

記事一覧を見る
生成AI革命

自然な文章を生成するチャットGPT(ChatGPT)/GPT-4などの大規模言語モデル、テキストから画像を生成できるDALL·E 、Stable Diffusion、Midjourneyなどの拡散モデルの登場は、私たちの生活やビジネスを大きく変えようとしている。
人工知能(AI)の新時代を牽引する「生成AI(ジェネレーティブAI)」革命の最前線を追う。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る