KADOKAWA Technology Review
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The Forensic Mathematics Behind the Desperate Search for the Malaysia Airlines Plane

消息不明のマレーシア航空370便の位置は数学で割り出せるか?

オーストラリア軍の科学者が、消息不明のマレーシア航空370便の位置と事故状況を数学的に算出した。論文の発表により、誰でも仮説を検証できるようになった。 by Emerging Technology from the arXiv2017.02.17

今年1月17日、マレーシアと中国、オーストラリア政府は、2014年3月に不可解な状況で行方不明になったマレーシア航空MH-370便(ボーイング777-200ER)の捜索を中止することに同意した。

航空管制官のレーダー画面から消えたとき、370便はクアラルンプールから北京へ定刻通り飛行中だった。軍のレーダーは370便を追い続けたが、やがて予定航路から外れ、南へ進み、ついにはレーダーの範囲外へと飛んでいった。航空機は二度と目撃されることなく音信不通となり、搭乗していた242人は死亡したと推定されている。

370便は依然として発見されておらず、どこかに着陸したのか、墜落したのかは誰にもわからない。最有力説では、南へ7時間飛行し、オーストラリアのパースから南西約1800kmのインド洋に墜落したされる。しかし、この海域で海面と海底を広範囲に捜索しても何も見つからなかった。

このことから重大な疑問が浮かび上がってくる。関係機関は正しい場所を探していたのだろうか?

2月15日、オーストラリアの国防科学技術グループ(DST)のイアン・ホラント研究員が、捜索エリアを決定づけるいくつかの根拠を発表した。ホラント研究員は、370便のフライト関連のデータを分析しているチームの重要メンバーであり、特に、航空機から軌道上のインマルサット通信衛星に最後に送られたと判明している信号に注目してきた。370便から得られる情報は他には何もないため、捜索班はこの信号を捜索エリアの決定に使ってきた。しかし、この信号から他に得られる情報はないのだろうか?

いくつかの背景を説明しておこう。370便には、音声通話を中継したり、定期的にデータを送受信したりする衛星データ通信機が装備されていた。通信装置はデータをインド洋上空に静止しているインマルサット衛星を介して送信した。370便は、音声通話を送信していなかったが、衛星データ通信機は作動し続け、応答されなかった地上からの2本の電話着信を通知し、電子的な応答確認等、同種の定期的なデータをいくつか送信していた。

一見すると、こうした短いデータ送信で、370便の位置情報を算出するのは難しそうだ。しかし、ホラント研究員のチームは、データを使って驚くべき量の情報を収集した。

航空機が地球上のどこにいるかに関わらず、特定の時間と周波数で航空 …

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