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バイドゥ、チャットGPT風AIボットを一般提供 政府認可を取得
Costfoto/NurPhoto via AP
Chinese ChatGPT-alternatives receive government approval for widespread public access

バイドゥ、チャットGPT風AIボットを一般提供 政府認可を取得

バイドゥは、チャットGPT風のAIチャットボット「アーニー・ボット」の一般提供を開始すると発表した。同社を含む複数のサービスが中国政府の認可を得た模様だ。 by Zeyi Yang2023.09.01

中国の大手人工知能(AI)企業であるバイドゥ(Baidu:百度)は8月30日、オープンAI(OpenAI)の「チャットGPT(ChatGPT)」のような大規模言語モデルである「アーニー・ボット(Ernie Bot)」を一般ユーザー向けに提供開始すると発表した。

この日が来るまで長い時間がかかった。3月中旬に発表されたアーニー・ボットは、中国初のチャットGPTのライバルだ。それ以来、アリババ(Alibaba)やバイトダンス(ByteDance)など、多くの中国のテック企業が追随し、独自のモデルをリリースしてきた。しかし、どの企業もユーザーに順番待ちをさせたり、承認プロセスを通過させたりすることで、一般ユーザーにほとんどアクセスできないようにしていた。これは、おそらく中国政府による統制の結果だろうと考えられている。

バイドゥは8月30日、ソーシャルメディア上で、翌日から一般登録を開始し、アーニー・ボット内の新しいAIアプリケーション群も一斉にリリースすると発表した。

ブルームバーグは匿名の情報筋の話を引用し、規制当局の承認は「新興企業と大手テクノロジー企業を含む一握りの企業」のみに与えられると報じた。中国メディアの新浪新聞(Sina News)は、8つの中国の生成AI(ジェネレーティブAI)チャットボットが、一般公開が承認されたサービスの第一陣に含まれていると報じた。

バイトダンスが8月18日にリリースしたチャットボット「ドウバオ(Doubao:豆包)」や、中国科学院自動化研究所が6月にリリースした「紫東太初 2.0(Zidong Taichu 2.0)」も、第一陣に含まれていると伝えられている。アリババ、アイフライテック (iFlytek)、JD(京東商城)、360がリリースした他のモデルは含まれていない。

アーニー・ボットが3月16日にリリースされたとき、その反響は興奮と落胆が入り混じったものだった。その性能は平凡で、先にリリースされたチャットGPTよりも劣ると多くの人が評価した。

しかし、ほとんどの人は自分の目でそれを確認できなかった。発表会ではチャットボットの実演はなく、その後、実際にボットを試すには、中国のユーザーがまずバイドゥのアカウントを取得し、アーニー・ボットの使用ライセンスを申請する必要があった。これには3カ月もかかる可能性があったという。このため、早期にアクセス権を得た一部の人は、自分のバイドゥ・アカウントを電子商取引サイトに出品し、数ドルから100ドル以上で販売していた。

アーニー・ボットのリリース後、十数種類の中国製生成AIチャットボットがリリースされた。質問に答えたり、数学の問題を(ある程度)解いたり、プログラミングコードを書いたり、詩を詠んだりなど、テキストでの会話ができるという点で、どれも欧米のものとよく似ている。音声、画像、データ可視化、無線信号など、テキスト以外の入出力が可能なものもある。

アーニー・ボットと同様、これらのサービスもユーザーアクセスに同様の制限を設けており、中国の一般ユーザーがその製品を体験することは難しかった。中にはビジネス用途にしか許可されていないものもあった。

中国のテック企業が一般ユーザーのアクセスを制限した主な理由の1つは、モデルが政治的に機微な情報を生成するために使用されることへの懸念だった。中国政府はソーシャルメディア・コンテンツの検閲能力が極めて高いことを示してきたが、生成AIのような新しいテクノロジーは、検閲マシンを未知の予測不可能な限界まで追い込む可能性がある。バイドゥやバイトダンスが提供するような現在のチャットボットのほとんどは、台湾や中国の習近平国家主席に関する機微な質問への回答を拒否するようなモデレーション・メカニズムを内蔵している。だが、中国の14億人を対象に一般公開されれば、人々はほぼ間違いなく検閲を回避するもっと賢い方法を見つけるだろう。

中国が7月に生成AIサービスに特化した初の規制を発表した際、企業に対して「関連する行政ライセンス」の取得を要求する記述が含まれていた。だが、その時点ではそのライセンスが何であるかは明記されていなかった。

ブルームバーグが最初に報じたように、バイドゥが取得した認可は、中国の主要なインターネット規制機関である中国サイバースペース管理局(CAC)が発行したもので、これにより企業はチャットGPTのようなサービスを中国全土に展開できるようになる。しかし同局は、どの企業がパブリック・アクセス・ライセンスを取得したのか、またどの企業が申請したのか、公式には発表していない。

ただ、新たに一般公開されたとしても、どれだけの人々がその製品を利用するかは不明だ。当初、中国のチャットボットへのアクセスが限られていたことが、チャットボットに対する一般の関心を低下させる一因となった。チャットGPTは中国では正式にリリースされていないが、多くの中国人はVPNソフトウェアを使うことでオープンAIのチャットボットにアクセスができる。

バイドゥのプレスリリースによると、バイドゥのロビン・リー最高経営責任者(CEO)は、「アーニー・ボットを何億人ものインターネットユーザーが利用できるようにすることで、バイドゥは貴重な実世界の人間のフィードバックを大量に集めることができます。これは、バイドゥの基盤モデルの改善に役立つだけでなく、アーニー・ボットのイテレーションを大幅に高速化し、最終的に優れたユーザー体験をもたらすでしょう」と語っている。

バイドゥはこれ以上のコメントを控えた。バイトダンスは、MITテクノロジーレビューからのコメントの要請に対し、すぐには回答しなかった。

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MITテクノロジーレビューで中国と東アジアのテクノロジーを担当する記者。MITテクノロジーレビュー入社以前は、プロトコル(Protocol)、レスト・オブ・ワールド(Rest of World)、コロンビア・ジャーナリズム・レビュー誌、サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙、日経アジア(NIKKEI Asia)などで執筆していた。
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