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NEDO Practical Realization Document 2024

日本発イノベーションの舞台裏に迫る「NEDO実用化ドキュメント」

新エネルギー・産業技術総合開発機構の「NEDO実用化ドキュメント」では、NEDOの支援を受けて実用化に至った技術の詳細が紹介されており、日本が誇る最先端のイノベーションの舞台裏を知ることができる。 by MIT Technology Review Brand Studio2024.06.28Promotion

持続可能な社会の実現に向けて、イノベーションの創出が欠かせない。だが、革新的な技術の研究開発とその社会実装にはさまざまなリスクが伴い、民間企業単独の力だけで成し遂げるのは難しいのが実情だ。そこで、特に新エネルギー分野と産業技術分野における新技術の研究開発、実用化を促進する目的で設立されたのが、経済産業省所管の「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」である。

NEDOは1980年に発足した独立行政法人で、公的資金の配分などを通じて研究開発から実用化までを一貫して支援している。同機構が年に一度発行するNEDO実用化ドキュメントでは、NEDOの支援を受けて実用化に至った取り組みの詳細が紹介されており、日本が誇る最先端のイノベーションの舞台裏を知ることができる。

「NEDO実用化ドキュメント」はNEDOのWebマガジン「NEDOWM」から閲覧できる。

具体的にどのような取り組みが掲載されているのか。2024年度に実用化ドキュメントに追加された最新の実用化事例を3つ、紹介しよう。

1. 複数台のドローンの運行を安全かつ効率的に管理(KDDI)

1つ目は、KDDIが開発した「複数台ドローン運航管理システム」である。ドローンを安全かつ効率的に運航できる革新的システムで、1人の管理者がモバイル通信網を介して遠隔から複数のドローンの飛行状況を一括監視・操作できる。同社は以前からモバイル通信を使ったドローン制御に単独で取り組んでいたが、NEDOの支援を通じてさまざまな事業者と協働し、全国13地域での運行管理システムの同時実証にこぎ着けた。

KDDIの「複数台ドローン運航管理システム」(画像:NEDO「実用化ドキュメント」より)

現在は2025年ごろの社会実装に向けて準備が進んでいる。実現すれば、物流業務の効率化が期待できるほか、架線や橋梁などのインフラ設備の点検、山間部の監視、災害現場での捜索救助活動などでの活躍が期待できる。さらにはKDDIは、海外展開も視野に入れている。将来的には、ドローン運行管理技術を国際標準と呼べるプラットフォームにまで育たい考えだ。

2. 自律走行で荷物を届ける自動配送ロボット(パナソニック)

2つ目は、人とロボットが協調して作業できる世界を実現するためのロボット技術である。パナソニックが開発した「自動配送ロボット ハコボ」は、AIとセンサーを搭載して街中を自律走行し、無人で荷物を住宅に配送する。遠隔の管制センターで常時監視しており、もし危険な状況になれば人間が介入して適切な対応を取ることが可能だ。

パナソニックの「自動配送ロボット ハコボ」(画像:NEDO「実用化ドキュメント」より)

現在のハコボは最大4台の同時運用に対応しているが、将来はオペレーター1人につき10台以上のハコボを一括して管理・運用することを目指している。これにより、従来人手を要していた荷物の運搬作業を大幅に効率化・自動化でき、人手不足に悩む物流業界への大きな貢献が期待されている。街中にロボットと人間が共存し、配送業の業務がロボット管理業へと変わる日もそう遠くないかもしれない。

3. 注射の恐怖を取り除く、中空型マイクロニードル(シンクランド)

3つ目は、痛みの少ない次世代の注射針「中空型マイクロニードル」についての事例である。スタートアップ企業のシンクランドが開発したこの極小の針は、太さがマイクロメートル級で、内部に中空の穴が開いている。皮膚に刺すと、ほとんど痛みを感じることなく薬液を注入できるというものだ。

シンクランドの「中空型マイクロニードル」(画像:NEDO「実用化ドキュメント」より)

世界的にも量産化にこぎ着けた事例はなかったが、NEDOの支援を受けて針の長さが100マイクロメートルの中空型マイクロニードルの製造に成功。美容分野での一部実用化が始まっている。現在は、最低でも400マイクロメートルの長さが必要になるという医療用途での実用化に向けて、さらなる研究開発が進んでいるところだ。実現すれば、小児医療の現場をはじめ、これまで恐怖の対象だった注射に対するイメージが一新されることだろう。患者の心理的負担が大幅に軽減されることは間違いない。

以上の3つの最新事例が示すように、NEDOはさまざま分野の最先端技術の実用化を強力に支援している。同機構の役割は、公的研究開発マネジメント機関として、産学官の強みを結集して研究開発・実証に取り組み、成果の社会実装を促進することで、社会課題の解決を目指すというものだ。Webサイトで公開中の「NEDO実用化ドキュメント」では、それぞれの技術の詳細やNEDOによる具体的な支援内容もまとまっている。また、NEDO実用化ドキュメントはPDFでも配布中だ。PDFでは過去の事例もカテゴリー別に掲載されており、一読すれば、日本の卓越した産業技術力とNEDOの多角的な支援活動の実態を知ることができるだろう。技術開発に携わる多くの人の参考になるはずだ。

(編集協力:NEDO

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