KADOKAWA Technology Review
×
Could New York’s Plan to Erase its Digital Divide Work for America?

ニューヨーク州の大半はインターネットが使えない「非都市部」

ニューヨークで都会はニューヨーク市だけ、他のほとんどはド田舎でインターネットは使えない。来年までにこの状況を何とかしようと、ニューヨーク州政府は非都市部へのISPの参入に、補助金を出して支援している。 by Michael Reilly2017.03.22

米国のインターネット接続には、長年の問題がある。 裕福な人や都市部の人のインターネット利用率は高まっている一方 、貧しい人や田舎に住む人はインターネットなしで過ごすことが多い。しかしニューヨーク州の計画によって、何百万人ものアメリカ人がインターネットに接続できるかもしれない。インターネットは、今や電気とほとんど同じくらいに重要だ。

ニューヨーク州は、アンドリュー・クオモ知事の「全ての人にブロードバンドを」構想により、2018年までに全州民がインターネットに接続できるよう積極的に動いている。簡単な事業ではない。ニューヨーク市といくつかの都市部を除けば、ニューヨーク州の大半は小さな町と田舎ばかりだ。

しかしニューヨーク・タイムズ紙が伝えるように、ニューヨーク州の非都市部でも急速にインターネット接続が普及しつつある。ニューヨーク州の計画では、サービスが行き届いていない地域では、ブロードバンド接続を提供するインターネット企業に入札させ、各地域で最低価格を提示した企業に補助金を与えている。大手のインターネット・サービス事業者(IPS)がすでに補助金を獲得した一方、地元の小さな企業も入札に参加している。酪農場からホテルまで、地域のビジネスは、新たにインターネットにつながったおかげで、大きなメリットを受けている

ニューヨーク市の事業によって、同様の対策は国家規模でも必要であることが明らかになった。アメリカ全土では、1260万世帯がブロードバンドを利用できない(米国連邦通信委員会(FCC)の定義によると「ブロードバンド」とは下り速度が25Mbps、上り速度が3Mbps)。問題が特に深刻なのは非都市部で、39%の世帯がインターネットに接続できない

しかし、連邦政府がすぐに対策を実行する可能性は低い。ドナルド・トランプは大統領になる前、インフラへの投資に強い関心を示していた。しかしトランプの発言は空港や高速道路に集中しており、選挙運動でブロードバンド接続を拡大する計画を提示したことは一度もなかった。収入の低いアメリカ人のためにインターネット接続に補助金を出すFCCのライフライン計画は十分とはいえない内容だが、今やそれさえ削減されてしまいそうだ。地域主体のブロードバンド協同組合は高速のインターネット・インフラを構築しようとしているが、せいぜい部分的な解決策にしかならない。

しかし、もしかするとインフラの拡大よりも大きな問題は、インターネット接続のために定期的に発生する料金かもしれない。アメリカのインターネット接続料金は、他の多くの国よりもはるかに高額だ。低収入の人はインターネットに接続できないことが多い。ニューヨークの政策では、100Mbpsの接続が月額60ドルで利用できるよう義務付けている。しかしこの額でさえ、実際には多くの人が高速インターネットを利用できないままになる可能性が高い。アメリカがよりインターネットにつながるための青写真は目の前にあるかもしれないが、情報格差が解消されるまでの道のりはまだ長い。

(関連記事:The New York Times, “The Unacceptable Persistence of the Digital Divide,” “通信事業者任せでネット接続は拡大しない”)

人気の記事ランキング
  1. A college kid’s fake, AI-generated blog fooled tens of thousands. This is how he made it. 大学生がGPT-3で偽記事を作ってニュースサイトで1位になった方法
  2. There might be even more underground reservoirs of liquid water on Mars 火星の南極に新たな地下湖、生命体が見つかる可能性も
  3. What has AI changed? 松尾 豊教授インタビュー:人工知能は世界と日本をどう変えたのか
  4. IBM has built a new drug-making lab entirely in the cloud 化学実験を在宅で、IBMがロボット+AIでクラウド新サービス
タグ
クレジット Photograph by Spencer Platt | Getty
マイケル レイリー [Michael Reilly]米国版 ニュース・解説担当級上級編集者
マイケル・レイリーはニュースと解説担当の上級編集者です。ニュースに何かがあれば、おそらくそのニュースについて何か言いたいことがあります。また、MIT Technology Review(米国版)のメイン・ニュースレターであるザ・ダウンロードを作りました(ぜひ購読してください)。 MIT Technology Reviewに参加する以前は、ニューサイエンティスト誌のボストン支局長でした。科学やテクノロジーのあらゆる話題について書いてきましたので、得意分野を聞かれると困ります(元地質学者なので、火山の話は大好きです)。
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.1/Autumn 2020
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.1/Autumn 2020AI Issue

技術動向から社会実装の先進事例、倫理・ガバナンスまで、
AI戦略の2020年代のあたらしい指針。

詳細を見る
人気の記事ランキング
  1. A college kid’s fake, AI-generated blog fooled tens of thousands. This is how he made it. 大学生がGPT-3で偽記事を作ってニュースサイトで1位になった方法
  2. There might be even more underground reservoirs of liquid water on Mars 火星の南極に新たな地下湖、生命体が見つかる可能性も
  3. What has AI changed? 松尾 豊教授インタビュー:人工知能は世界と日本をどう変えたのか
  4. IBM has built a new drug-making lab entirely in the cloud 化学実験を在宅で、IBMがロボット+AIでクラウド新サービス
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る