気候テック15:脱炭素のアキレス腱、「銅不足」解消に挑むチリ企業
チリに本社を置くセイボ(Ceibo)は、クリーンエネルギーへの転換に欠かせない銅の不足を解消するため、新しい銅生産テクノロジーで鉱業の持続可能性を高めようとしている。 by Maddie Stone2024.10.19
- この記事の3つのポイント
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- セイボは環境負荷の低い銅抽出技術を開発している
- 同社の技術は採算の合わない鉱石からの銅回収を可能にする
- 年内に最初の現場でのパイロットテストを予定している
銅線はクリーンエネルギー経済の屋台骨であり、自動車、建物、工場を送電網と接続するのに欠かせない存在だ。太陽光パネル、風力タービン、電気自動車(EV)にも銅は不可欠である。クリーンテック用途の銅需要は2040年までに約3倍に増加すると予測されているが、地中に埋蔵されている銅の大部分は低品位の鉱石に閉じ込められており、現状では採掘しても採算がとれない。採掘テクノロジー企業のセイボ(Ceibo)は、こうした状況の打開を目指している。
現在、世界の銅の約20%は酸化銅鉱石から生産されている。この鉱石から銅を抽出するには、鉱石を破砕し、巨大な山として積み上げて、希酸を噴霧する。酸が粉砕された鉱石の隙間を通過する過程で、銅が溶解し浸出するのだ。
残りの80%は硫化銅鉱石から生産されるが、この鉱石は酸にあまり溶けない。業界では銅を抽出するため、砕いた硫化銅鉱石を化学薬品で満たした槽で濃縮した後、高温で精錬するという、エネルギーと水を大量に消費し、環境負荷の高いプロセスが使われている。
セイボは、環境負荷の低い浸出プロセスを、硫化銅鉱石にも適用できるように改良した。同社の化学ベースのアプローチは、微生物群が硫化銅鉱石から銅を取り出すプロセスを模倣し、その速度を加速させたものだ。硫化銅鉱石を破砕して山積みした状態でpHや酸化の度合などの条件を操作することで、硫化銅鉱石に含まれる銅の70%以上を回収で …
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