KADOKAWA Technology Review
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A Milestone for Quantum Computing

量子コンピューターは本当に計算が速いのか?を実証

量子コンピューターの計算能力が従来型コンピューターを上回らなければ、そもそも量子コンピューターを開発する意味はない。45キュービットの量子コンピューターのシミュレーションにより、確かに計算が速いことがわかった。 by Emerging Technology from the arXiv2017.04.12

コンピューターーー科学者は、量子コンピューターが通常のコンピューターで処理できる以上の計算量を「量子超越性(quantum supremacy)」と名付けている。多くのコンピューター科学者は「そのとき」の実現が急速に近づいていると考えている。

現在の通説では、49キュービットの演算能力がある量子コンピューターが実現すれば、地球上で最も早いスーパー・コンピューターに匹敵する性能を持つとされる。49キュービットを少しでも上回れば、現在のコンピューターの処理能力をはるかに超えるはずだ。

実現可能性の目途はまだ立っていない。そもそも量子コンピューターが期待通り高速に動作するのか、判断する基準がわからないのだ。この点を明確にするため、コンピューター科学者は強力な従来型コンピューターを使って、量子コンピューターの動作をシミュレーションすることにした。

考え方としては、量子コンピューターの処理能力をなるべく正確に測定してベンチマークを取ることで、この方法なら量子コンピューターが実現しなくても実行できる。その後は量子コンピューターの未来を信じるしかない。

もちろん、49キュービットの量子コンピューターのシミュレーションは今までされていない。しかし4月11日、チューリッヒ工科大学(スイス)のトーマス・ハナー教授とダミアン・シュタイガー研究員は、現在最も野心的な研究を発表した。

ふたりは世界で5番目に高速なスパコンを使って、45キュービットの量子コンピューターをシミュレーションした。「私たちが知る限り、シミュレーションしたキュービットの最大数については今回が新記録です」と研究チームはいう。さらにより強力なシミュレーションを実現するための手法も明らかにしている。

この種のシミュレーションが困難な理由は、量子コンピューターが可能な計算がとにかく複雑だからだ。処理能力がとにかく必要なのは「重ね合わせ」(光子のような量子分子が同じ瞬間に2つ以上の状態を重ね合わせて持つ状態)という量子現象を扱うのが難しいか …

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