KADOKAWA Technology Review
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ハーバード大教授主導の
「若返り治療」初の試験へ、
イーロン・マスクも関心
C.J. Gunther/The New York Times via Redux Pictures
生物工学/医療 Insider Online限定
The first human test of a rejuvenation method will begin “shortly” 

ハーバード大教授主導の
「若返り治療」初の試験へ、
イーロン・マスクも関心

リプログラミング技術で細胞を若返らせる初の老化逆転治療が、米国FDA承認を得て年内にも臨床試験を開始する。ハーバード大学のデビッド・シンクレア教授が主導し、緑内障患者約12人の片目に治療が施される。ただ同教授は過去に「成果を出せていない」との批判も受けてきた。今度こそ理論は証明されるのか。 by Antonio Regalado2026.02.03

この記事の3つのポイント
  1. ハーバード大学のシンクレア教授らが開発したER-100が、初の標的型老化逆転治療としてFDAの承認を取得
  2. リプログラミング技術により細胞のエピジェネティック制御をリセットし、より健康な状態への回復を目指す治療法
  3. 緑内障患者12人を対象とした臨床試験が年内開始予定だが、免疫反応や副作用リスクが課題として残存
summarized by Claude 3

先月、ダボス会議を訪れていたイーロン・マスクが、インタビューで「老化は逆転できると思うか」と質問された。マスクはこの問題に深く取り組んだことはないとしながらも、「老化は十分に解決の余地がある問題」と考えており、科学者が老化の原因を突き止めたときには、それが「明白なもの」になるだろうと語った。

その直後、ハーバード大学教授で、寿命延長の伝道者であるデビッド・シンクレアがXでの会話に加わり、世界一の富豪の意見に強く同意した。「老化には比較的単純な説明があり、明確に逆転可能です」とシンクレア教授は投稿した。「臨床試験はまもなく開始されます」。

「ER-100ですか?」とマスクが尋ねた。

「そうです」とシンクレア教授が答えた。

ER-100は、シンクレア教授が共同創業したボストンの小規模スタートアップ企業、ライフ・バイオサイエンシズ(Life Biosciences)が開発した治療法のコードネームであることが判明した。同社は、ヒトのボランティアを対象とする初の標的型老化逆転試験を実施するため、米国食品医薬品局(FDA)の承認を得ている。

同社は、シリコンバレー企業のアルトス・ラボ(Altos Labs)、ニュー・リミット(New Limit)、レトロ・バイオサイエンシズ(Retro Biosciences)などが数億ドル規模の投資を集めている「リプログラミング」と呼ばれる抜本的若返り技術を用いて、眼疾患の治療に取り組む計画だ。これらの企業は、テクノロジー業界の著名企業から支援を受けている。

この技術は、エピジェネティック制御(遺伝子のオン・オフを決定する遺伝子のスイッチ)を広範囲にリセットすることで、細胞をより健康な状態に回復させようとするものである。

「リプログラミングは生物学界における人工知能(AI)のようなものです。誰もが資金を投じている分野です」。英国の小規模スタートアップ企業であるシフト・バイオサイエンス(Shift Bioscience)を支援する投資家のカール・プフレガーは言う。彼によれば、シンクレア教授の会社は最近、治療法の開発をさらに進めるために追加資金を求めているという。

リプログラミングは非常に強力であり、場合によってはリスクも伴い、実験動物でがんを引き起こすこともある。だが、ライフ・バイオサイエンシズが開発している技術バージョンは、動物での初期安全性試験に合格している。

とはいえ、依然として非常に複雑な技術である。今回の試験ではまず、眼内圧の上昇により視神経が損傷する疾患である緑内障の患者約12人を対象に治療が試験される。昨年12月に初めて公開された研究の説明によれば、3つの強力なリプログラミング遺伝子を運ぶウイルスが、各患者の片目に注射される予定である。

プロセスが過剰に進行しないようにするため、リプログラミング遺伝子は、患者が低用量の抗生物質ドキシサイクリンを服用している間のみ作動する特別 …

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