KADOKAWA Technology Review
×
【4/24開催】生成AIで自動運転はどう変わるか?イベント参加受付中
「ムーアの法則」終了で
コンピューター業界は
AI需要にどう対応するか
Andrea Chronopoulos
カバーストーリー 無料会員限定
How AI Can Keep Accelerating After Moore’s Law

「ムーアの法則」終了で
コンピューター業界は
AI需要にどう対応するか

先端的な機械学習の分野では膨大なコンピューター・リソースが必要だ。「ムーアの法則」が終わった現在、コンピューターチップにも変革が求められる。 by Tom Simonite2017.06.09

5月上旬、グーグルのサンダー・ピチャイCEO(最高経営責任者)は機械学習の研究所で得られた驚異的な成果を開発者たちに発表したとき、明らかに興奮していた。新しい環境や業界に機械学習ソフトウェアを簡単に導入できるようにするために、グーグルの研究者は機械学習ソフトウェアを作成する作業の一部を自動化する方法を考え出したのだ。

しかし、このプロジェクトは、AI研究者の間ではすでに別の理由で評判になっている。機械学習の最先端で競争するためには、膨大なコンピューター・リソースが必要だと見せつけられたからだ。

グーグルの研究者の論文によると、最近の機械学習のパワーアップに不可欠な、高価で高性能なグラフィック・プロセッサー(GPU)800基を同時に使用したという(「10 Breakthrough Technologies 2013: Deep Learning」参照)。研究者がMITテクノロジーレビューに語ったところによると、このプロジェクトでは数百ものGPUを2週間途切れなく占有し、使い続けた。あまりにもリソース集約型の手法をとったために、グーグルでさえも通常の研究プロジェクト以上のものとなった。

膨大なGPUにアクセスする用意がないコーダーが同じようなことをやろうと思ったら、莫大な資金が必要だ。アマゾン・クラウド・コンピューティング・サービスからGPU800基を1週間レンタルするだけで、表示価格で約12万ドルの費用がかかる。

深層学習ソフトウェアに特定の課題のためのデータを供給し訓練するには、後でシステムを実行するよりも多くのリソースを消費するが、いずれにしても相当なエネルギーが必要になる。「コンピューターの能力が今のところ機械学習にとって障害になっています」とスタンフォード大学非常勤教授でマトロイドの創設者レザー・ザデーCEOは述 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中! ひと月あたり1,000円で読み放題
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る