KADOKAWA Technology Review
×
「Innovators Under 35 Japan」2024年度候補者募集中!
暴走するユニコーン企業
ウーバーの見た夢
カバーストーリー 無料会員限定
Uber’s Other Big Problem: Driverless Cars Aren’t Ready Yet

暴走するユニコーン企業
ウーバーの見た夢

ウーバーのカリスマ創業者がCEOの職から追放された。破壊的イノベーションで成長してきたユニコーン企業の今後を担う次期CEOは、多くの難題を引き継ぐこととなる。ウーバーは運転手を自動運転へ置き換えることを前提としているが、実現への道は険しい。 by Peter Burrows2017.07.05

ウーバー(Uber)の共同創業者トラビス・カラニック前最高経営責任者(CEO)は8年前から、自由奔放で破壊的イノベーションを引き起こす起業家として活躍し、世の中に大きな影響を与えた。ウーバーは世界各国の都市で陸上輸送システムに革命的変化をもたらした一方で、既存の規制を無視することも多く、昔ながらのシステムで経営を続けるタクシー会社の懸念、さらに大勢の自営ドライバーの悩みなど眼中になかった。そして競合他社に対する常識的な配慮が欠けていた。

カラニック前CEOがその座を追われたのは先月のことだが、後継者はカラニックよりも現実的な路線を取らざるを得なくなるだろう。ウーバーの次期CEOの行く手には、解決すべき重要な課題が山積している。たとえば、ドライバーたちとの関係を修復したり、主要経営陣の空席を埋めたり、ウーバーの妥協を許さない企業文化を全面的に改革するといったものだ。

「カラニック前CEOは取締役会で独裁者的な存在でした」と、テクノロジー・コンサルタントを長らく務める作家のジェフリー・ムーアはいう。「さしあたっては、ウーバーは以前より周りに配慮し、無難な経営方針を取り、より着実に事業を進める会社に生まれ変わるしかありません」

これは現在の株主(ほとんどがシリコンバレーのベンチャー投資家)にとって、十分納得できる話だ。彼らがカラニック元CEOを追放したからだ。しかし、ウーバーが株式を上場して大成功を収めるには、まだまだ数多くのイノベーションを起こす必要があると、『シェアリング・エコノミー』(2016年、日経BP社刊)の著者であるニューヨーク大学経営大学院スターン・スクールのアルン・スンドララジャン教授はいう。

株式非公開企業のウーバーが将来上場して、現在の企業価値である600億ドルに近づけるには、全世界の市場規模が400億ドルしかないタクシービジネスから抜け出す必要が出てくる。企業価値をさらに押し上げるには、ウーバーはカラニック前CEOの真の目的を達成する必要があるだろう。手軽に利用できるサービスを構築し、消費者が自家用車を買わなくて済むようにすることだ。年間10兆ドルを売り上げる新車や中古車の市場に割って入れば、ウーバーの時価総額はグーグルやフェイスブックを上回ることになるだろう。グーグルやフェイスブックは、自動車 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Lego bricks are making science more accessible 科学を身近にするレゴブロック、大学の実験装置にも応用
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2024 「Innovators Under 35 Japan」2024年度候補者募集のお知らせ
  3. Why artists are becoming less scared of AI 見えてきた「生成AIの限界」がアーティストの不安を取り除く
  4. A way to let robots learn by listening will make them more useful 見落とされてきた「耳」、音を学んだロボットはもっと賢くなる
  5. How fish-safe hydropower technology could keep more renewables on the grid 水力発電の環境負荷を軽減、魚と共生する次世代タービン
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年も候補者の募集を開始しました。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る