KADOKAWA Technology Review
×
【4/24開催】生成AIで自動運転はどう変わるか?イベント参加受付中
「ライバルは米国よりも中国企業」
バイドゥ社長インタビュー
ニュース Insider Online限定
The President of Search Giant Baidu Has Global Plans

「ライバルは米国よりも中国企業」
バイドゥ社長インタビュー

バイドゥのチャン・ヤーチン社長は、人工知能などのテクノロジーへの投資が、バイドゥを世界的なリーダーに変えるのに役立つと確信している。モバイル中心で競争が激しい中国市場で戦う企業は、米国企業よりも有利な立場にあるという。 by Tom Simonite2017.07.04

グーグルとフェイスブックの名前は、世界中で知られている。バイドゥはどうだろう?まだ知名度はそこまでではない。中国トップの検索会社バイドゥのチャン・ヤーチン(張亜勤)社長は、中国企業もインターネット業界で世界的な大手企業になれるという。7億3000万人のインターネットユーザーを抱える中国市場で最大手企業の1つであるバイドゥは、人工知能(AI)に重点的に投資することによって、国内外で新たな収益源を開拓しようとしている。

バイドゥは1700人以上のAI研究者を雇用しており、その中には2014年に開設されたシリコンバレー研究所の研究者も含まれる。これらの研究者は機械学習に関する国家の競争力をさらに高めることを目的とした新しい国立研究所の運営のために、中国政府が人選した。チャン社長の予測によると、バイドゥが開発中の自動運転車は、米国のライバル企業が売り出す車よりも前に、広く普及する可能性さえあるという。

中国国内ではスマホの売上が低迷し、2016年には既存の検索・広告事業の勢いが衰えた。人気のモバイル向けメッセージアプリでeコマースプラットフォームのウィーチャット(WeChat)を擁するテンセントなどのライバル企業が台頭した。

さらに、ある学生のスキャンダルがバイドゥの評判と広告事業にダメージを与えた。この学生はバイドゥの検索エンジンで表示されたスポンサー付きの検索結果から高額で怪しげな治療を受け、後にがんで亡くなった。

以前中国でマイクロソフトの研究と事業運営を率いていたチャン社長は、シリコンバレーにあるバイドゥの米国研究開発センターのスタッフと会う時間を割いて、MITテクノロジーレビューのトム・サイモナイト米国版サンフランシスコ支局長の取材に応じた。以下はその時のインタビューを編集したものだ。

バイドゥはすでに中国以外で毎月3億人が使うモバイル・アプリが12種類以上あるそうですが、中国以外の市場についてはどのような戦略でしょうか?

私たちは大いにモバイルに注目しています。当社のアプリはインド、ブラジル、またインドネシアなど東南アジアの一部地域で人気があります。これらの国の …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中! ひと月あたり1,000円で読み放題
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る