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The Emerging Science of Computational Psychiatry

データマイニング、機械学習、AIが開く、精神医学の新しい扉

主観的な観察に基づいてきた精神医学に新たな研究分野が現れた。精神疾患の症例の把握に、データマイニング、機械学習、AIを駆使する計算論的精神医学が適用されつつある。 by Emerging Technology from the arXiv2017.07.25

精神障害の研究と予防である精神医学は、現在、静かな革命を遂げつつある。何十年、何世紀にもわたって、この分野は主観的な観察に広く基づいてきた。人間の行動様式を客観的に評価し、十分に確立された基準と比較するのが難しいため、大規模な研究ができなかったのだ。加えて、神経回路や脳生化学のしっかりしたモデルがほとんどないことも、実世界での行動と精神医学を結び付けるのを困難にしている。

しかし、状況は変わり始めた。強力なデータ分析、機械学習、人工知能(AI)などを駆使して、極端で通常と異なる行動の背後にある根本的な要因を解明する、計算論的精神医学と呼ばれる分野が登場したからだ。

計算論的精神医学により、長年の観察で蓄積したデータを深掘りし、認識の数学的理論に結びつけることが、一気に可能になった。加えて、コンピュータを使って実験環境を注意深くコントロールすることで、特定の行動を詳細に研究できるようになった。

この最新の科学は、精神疾患に関する研究者の理解に、どのような影響を与えているのだろうか。ニューヘブンにあるイェール大学のサラ・ファインバーグ博士らによる研究は、ひとつの答えになる。

ファインバーグ博士のチームは、常時人口のほぼ2%の人が患っている境界性人格障害の研究に、 計算論的精神医学がどのような影響を及ぼしているかを調査。精神保健の専門家がこの疾患を研究し、診断するのに大いに役立っていることを示した。

境界性人格障害は、安定した人間関係を形成できず、不安定な自己意識と感情を持つことが特徴とされている。この診断を受けた人は、自分自身に危害を与える可能性が非常に高く、約10%が自殺する。

境界性人格障害の原因は不明だが、広範な遺伝的、環境的、社会的要因が重要な役割を果たすと見られている。そのため、症状を正確に特徴付けることは依然として難しい。しかし、計算論的アプローチが役立ちつつある。

例として、コンピューターゲームのサイバーボール(Cyber​​ball)を使った社会的拒絶の測定がある。このゲームでは、コンピューター上の3人のプレーヤーがボールを画面上でやり …

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