YouTube再生回数トップのK-POP、その感染経路が明らかに
2012年に発表され、YouTube再生回数トップの座を2017年7月まで維持してきた韓国ミュージシャンの映像「江南スタイル」は、どのようにして世界中に広がったのだろうか。くしくもこの7月、古代の伝染病の拡散との類似性を示す研究結果が報告された。 by Emerging Technology from the arXiv2017.07.26
伝染病の感染は、常に明確なパターンに従っている。アウトブレイクは、特定の場所で特定の時刻に始まり、感染源から波状に遠くへと広がっていく。
広がる波の速度は、移動の手段によって決まる。歴史上の記録によれば、黒死病(ペスト)は1日あたり約2kmの速度でヨーロッパ中に広がったという。14世紀に3500万〜2億人の命を奪った特に感染性の高い腺ペストの拡散は、当時利用可能だった輸送手段の制約を受けていた。
しかし、20世紀に入って変化が起こった。波のような広がり方は、一見消え去ったかのようにみえた。航空機により、病気が急にある大陸から別の大陸に移動できるようになったせいである。しかし、ネットワークの理論家が、移動の速度を考慮すれば、波のように広がる性質を復元できることを発見した。拡散を正規化することによって、波状の拡散パターンが再出現するのだ。
社会現象である歌、つぶやき、映像なども、同様に広がっていると考えられる。ソーシャル・ネットワークを通して人から人へと伝わる社会現象は、波状に広がるパターンに従うはずだ。
しかし、このパターンを観察することは難しい。なぜなら、情報の地理的な拡散の仕方は、情報が広がっていくソーシャル・メディア・ネットワークによって歪められているからである。そこで、ソーシャル・メディア・ネットワーク上での情報の広がり方が本当に波状なのか、あるいは根本的に異なるのかという問題が提起される。
この難問の解決を試みるネットワーク科学者は、特定の情報が測定可能な方法で世界中に広がっている象徴的な例を、血まなこになって探している。
ハンガリーのブダペストにあるエトヴェシュ(Eotvos)大学のズソフィア・カラス博士と同僚たちは、まさにそうした例として、2012年に韓国のミュージシャンであるサイ(Psy)の「江南スタイル」の映 …
- 人気の記事ランキング
-
- This scientist rewarmed and studied pieces of his friend’s cryopreserved brain 10年冷凍保存の脳は「驚くほど良好」——蘇生は「まったく別の話」
- Future AI chips could be built on glass AIチップの熱問題、解決策は「ガラス」 年内に商業生産へ
- What do new nuclear reactors mean for waste? 新型原子炉が続々登場、核廃棄物管理の「手引き」は書き直せるか
- The Pentagon is planning for AI companies to train on classified data, defense official says 【独自】米国防総省、軍事機密データでAIモデルの訓練を計画