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「つながりの強さ」を見える化する、蝶ネクタイの構造

社会的ネットワークは人と人の関係を調べる社会科学者にとって格好の研究対象となっている。ハーバード大学の研究者が社会的ワークを分析して、結びつきが強い個人間で共通する特徴を見い出した。 by Emerging Technology from the arXiv2017.10.24

個人間のネットワークである社会的ネットワークは、長い間、社会科学者を魅了しつづけている。社会的ネットワークは、無作為なものではない一方で、完全に秩序だったものでもない。 社会科学者たちは、ごく少数のよく知っている強いつながりのある人々、友人や同僚たちの少し大きなグループにおけるやや弱いつながりのある人々、たまたま知り合った程度の広範囲にわたる非常に弱いつながりの人々の間で、中立の立場をとっている。

社会科学者は、ある人が別の人にどれくらいの頻度で電話をするか、その電話を折り返すかどうか、通話時間はどれくらいか、といった様々な指標を用いて人と人とのつながりの強さを測定する。 しかし、これらの指標はしばしば測定するのが難しく、時間がかかる。

そのためネットワーク理論家は、ネットワーク自体の構造からつながりの強さを測定する方法の登場を待ち望んでいる。

その期待に応えるかのように、ハーバード大学のヘザー・マティの研究チームは、人々のつながりの強さを明らかにする特別なパターンを見い出したと発表した。そのパターンは蝶ネクタイに似た位相構造を形成している。

マティたちの方法は簡明だ。 全く異なる背景を持つ2つの社会的ネットワークにおいて、つながりの強さを研究したのだ。

1つ目は、インドの75の農村における約7万人の人々のネットワークだ。社会科学者たちは関連する社会的情報を収集するための調査を実施して、ネットワークを再構築した。 調査では、どのような友人や親戚が被験者の家を訪問したか、被験者が誰からお金を借りたか、だれから医療のアドバイスを受けたか、誰と寺院に行くのかなどの質問がなされた。

この調査により、研究者たちは完全な情報を収集した1万7000 …

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