誰がどう規制するのか?
混乱止まない暗号通貨の行方
日本で起きたコインチェック事件、テザー(Tether)をめぐる疑惑など、年明けから暗号通貨をめぐる混乱が止まらない。さまざまな問題を受けて、米国でも当局による規制を強化しようとする動きが現れている。今後は、規制機関の州境を越えた協力や、国際的なルール作りも必要になるだろう。 by Mike Orcutt2018.02.21
暗号通貨の世界に住む者は、規制当局との付き合いに慣れておいたほうがいい。新規仮想通貨公開(ICO)の資金調達に潜む暗い影の部分、暗号通貨取引所のセキュリティに関する不安の高まり、暗号通貨市場への「メインストリーム」投資家の殺到、こうしたことによって世界中の官僚は、暗号通貨市場により大きな注意を向けるべきだと確信している。しかし、2月上旬に開かれた米上院の公聴会では、どのように注意を向ければよいかが複雑な頭痛のタネになっていることが露わになった。
暗号通貨に注意を払うべきなのは、リスクが大きく、数十億ドルもの本物の通貨が危険にさらされているからだけではない。暗号通貨に使われているブロックチェーン技術がインターネットの創設と同じくらい破壊的であると考えている人はたくさんいる。政策立案者による決定は、暗号通貨の今後の展開がどうなるのかに影響を与えるだろう。
取り締まりはすでに始まっている。中国はICOと暗号通貨の取引を禁止した。マイニング(採掘)を取り締まる可能性もある。韓国はICOと匿名取引を禁止しているし、日本はすでに暗号通貨取引所に登録制度を導入している(日本版注:2017年4月1日、暗号通貨に関する新しい制度が開始され、国内で暗号通貨と法定通貨との交換サービスを行なうには、仮想通貨交換業の登録が必要となった)。
とはいえ、規制当局は暗号通貨をどのように定義したらよいのか未だに頭を悩ませている。今でも監視に大きな穴が開い …
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