KADOKAWA Technology Review
×
【4/24開催】生成AIで自動運転はどう変わるか?イベント参加受付中
ニュース Insider Online限定
This AI thinks like a dog

犬に学ぶ人工知能、ワシントン大学チームが開発

人工知能が学ぶ対象は人間でなければならないわけではない。ワシントン大学の研究チームは、犬の行動データを使って訓練したAIシステムを構築した。将来的には、さまざまな動物の行動を理解するために活用できそうだ。 by Emerging Technology from the arXiv2018.05.17

犬の飼い主なら誰しも、四本足の友が高い知能の持ち主であると証言できる。実際、視力障害者の誘導や行方不明者の捜索、麻薬や密売品の嗅ぎ分けなど、重要な任務をこなしている犬は多い。

この種の能力は最強クラスの人工知能(AI)さえ敵わない。そして、AIシステムの能力を高めるための訓練に、犬の能力を利用したAI研究者はまだいない。

ワシントン大学の博士課程生、キアナ・エサニら研究チームのおかげで、現在その状況は変化している。研究チームは、犬の行動に関するユニークなデータ・セットを収集し、犬のように意思決定ができるようにAIシステムを訓練するために利用した。研究チームの手法は、地球上の他の知的存在の能力を研究する、AI研究の新しい分野を切り開くものだ。

研究チームは、最初に犬の行動データベースを構築した。一匹の犬の足、尻尾、胴体に慣性計測装置を取り付け、各部位の相対角度や犬の絶対位置を記録した。

さらに犬の頭部にゴープロ(GoPro)カメラを取り付けて毎秒5フレームの速度でサンプリングして犬の視界を記録し、犬の背中にマイクを取り付けて音を録音した。データは犬の背中に取り付けたボード・コンピューター、アルデュイーノ(Arduino)で記録した。

研究チームは、全部でおよそ2万4500の動画フレームと、それに同期した胴体の位置データおよび動 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中! ひと月あたり1,000円で読み放題
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る