KADOKAWA Technology Review
×
カバーストーリー 無料会員限定
What’s Popular in Virtual Reality’s 3-D World? Netflix and TV.

VRヘッドセット大誤算 人気の用途はNetflixとテレビ

消費者が選んだのは3D作品より通常の2D映像だった。 by Tom Simonite2016.09.16

サムスンやオキュラスVR(フェイスブックの子会社)などのVRヘッドセットメーカーは、ゲームやバーチャル旅行の素晴らしい3D体験を強調してVRヘッドセットを宣伝している。しかし、新しもの好きでVRヘッドセットをさっそく導入したユーザーに最も人気があるのは、2D映画やテレビ番組の視聴だった。

「実質現実(VR)分野に取り組んできた人の多くがゲーム業界出身なので、この実態は業界にとって驚きでした。VRとは何か、かなり独善的に考えていたわけです」とサンフランシスコのベンチャー投資ファンドKPCBエッジの創業者、アンジェニー・ミダはいう。フェイスブックのような大企業が大衆向けの機器を製造して事業化するには、消費者がVRヘッドセットで何がしたいのか探るのはとても重要だ。

KPCBエッジのミダによれば、ユーザーはすでにモバイル機器の小型スクリーンで映画やテレビを見ており、2Dコンテンツの新たな視聴方法に関心を持つのは当然だ、という。狭苦しい寮の一室にいても、格安航空機のシートに座っていても、VRヘッドセットで2D映像を見れば、まるで大きなスクリーンが目の前にあるかのように、視界いっぱいに映像が広がる。ネットフリックスやHuluのVRアプリでは、映像の周囲に映画館や部屋、あるいはビーチなどのバーチャル映像を映し出し、あたかも自室以外で視聴しているかのような体験もできる。2Dなら、3D映像で起き …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Inside the tedious effort to tally AI’s energy appetite 動画生成は別次元、思ったより深刻だったAIの電力問題
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2025 「Innovators Under 35 Japan」2025年度候補者募集のお知らせ
  3. IBM aims to build the world’s first large-scale, error-corrected quantum computer by 2028 IBM、世界初の大規模誤り訂正量子コンピューター 28年実現へ
  4. When AIs bargain, a less advanced agent could cost you 大規模モデルはやっぱり強かった——AIエージェント、交渉結果に差
  5. What is vibe coding, exactly? バイブコーディングとは何か? AIに「委ねる」プログラミング新手法
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る