KADOKAWA Technology Review
×
【5/24まで】ひと月あたり1000円で購読できる春のキャンペーン実施中!
ニュース Insider Online限定
The productivity paradox

技術の進歩は生産性につながらない、この逆説をどう考えるか

経済指標が示すところによると、最近のテクノロジーの進歩やイノベーションは生産性の向上にさほど寄与していないという。様々な理由が考えられるが、一つの考え方として、人工知能(AI)などの新しいテクノロジーは「汎用技術」であり、マクロ経済の指標に影響が現れるのには何十年もかかるというものがある。 by David Rotman2018.06.27

国がより豊かになるためには、生産性の大幅な上昇が必要となる。生産性とは、労働および資本の投入量に対する商品やサービスの産出量の比率を示す値である。ほとんどの人にとって、少なくとも理論的には、生産性が向上することで賃金の上昇や雇用機会の増大が見込まれる。

世界の富裕国のほとんどにおいて、2004年あたりから生産性の伸び悩み状態が続いている。特に厄介なのが、経済学者が「全要素生産性」と呼ぶところの、イノベーションやテクノロジーの進歩が生産性向上に果たした役割を示す値が低迷していることだ。フェイスブックやスマホ、自動運転車、そしてどんなボードゲームでも人を打ち負かすことのできるコンピューターの時代に、テクノロジーの進歩を表す経済指標がどうしてこうも悲惨な値なのか? 経済学者らはこれを「生産性のパラドックス」と呼んでいる。

現在のテクノロジーは、実は私たちが考えているほど凄いものではないからだと主張する人もいる。 そういった見識の提唱者のトップに挙げられるのが、ノースウェスタン大学の経済学者、ロバート・ゴードン教授である。建物内の配管工事や電気モーターといったブレークスルーに比べると、現在の進歩は小さく、限られた経済利益しかあげられていないと主張する。ほかには、生産性は実際には上昇しているが、グーグルやフェイスブックが提供する価値といったものを測定する方法がまだ見つかっていないのだと考える人もいる。そういった利益の多くが「無料」とされているからなおさらだ。

しかし恐らくは、どちらの見識も実際に起こっていることを誤って解釈している。新しいテクノロジーの多 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中! ひと月あたり1,000円で読み放題
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る