KADOKAWA Technology Review
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ビジネス・インパクト Tesla’s Next Broken Promise

テスラモーターズは2018年に年間50万台も自動車を製造できない

誰も信じなかったテスラモーターズの成功によって、上海からデトロイトまで、世界中の自動車メーカーが電気自動車を製造するようになった。だからといって、テスラが大衆車を大量生産して規模を拡大する計画がうまくいくとは限らない。 by Doron Levin2016.09.22

テスラモーターズとイーロン・マスクCEOは電気自動車で世界の自動車産業に不朽の足跡を残した。しかも、テスラ車オーナーのテスラへの情熱には限界がないようにさえ見える。この偉業は、数年前に見込みがなさそう見えたが、2003年に設立されたテスラの次の事業はそれ以上だ。デジタル時代の高速かつ高品質な自動車製造に人間の労働力は最小限しか必要としないことを証明するというのだ。

2008年に自動車の製造を始めて以来、テスラは世界中で14万台以上の電気自動車を出荷した。その大半は高級車のモデルSセダンとガルウィングドアのモデルXクロスオーバーだ。今年のはじめには、4万人がモデル3(来年7月にカリフォルニア州フリーモントにあるテスラの工場で製造開始予定の次世代車)の手付金1000ドルをテスラに送金した。電気自動車の大衆市場の支配を目指すモデル3は、庶民的な価格で提供されるバッテリー駆動のセダン車だ。販売価格はわずか3万5000ドル程度になるという(現在、市場を主導する日産自動車のリーフの販売台数は35万台)。

テスラは持ち前の大胆さで、未開拓の領域をモデル3で切り開こうとしている。これまでをはるかに上回る量とスピードで中流階級の消費者向けの自動車を作るため、テスラは新設計の工場を計画している。うまくいけば、新工場により大量生産における革命的なイノベーションを実現することになる。

異星人のドレッドノート級戦艦

テスラの計画は詳細には語られていない。この記事のためにテスラに申し込んだインタビューには応じなかったが、電子メールで質問には回答した。マスクCEOは以前「機械を作る機械を作る」意図があると宣言した。従来の自動車メーカーを驚かせる、高度に自動化された自動車工場では、人間の作業員はほとんど消えてしまい、高度に自動化されソフトウェアから指令を受ける機械とロボットに置き換えられ、ゼネラルモーターズ(GM)、フォード、トヨタなど他のどの世界的な自動車メーカーが操業する組立工場も達成したことのないスピードで、機械とロボットによってモデル3(おそらく他のテスラのモデルも)が組み立てられる、というのだ。第2四半期の証券アナリスト向けの収益報告で、マスクCEOは自身が提案する工場に「異星人のドレッドノート級戦艦」」というニックネームをつけた。別の銀河から来たスターウォーズに出てくる戦艦の名前だ。

「工場がそう見えた時点で、勝ったとわかる」とマスクCEOはこの夏に発言した。この未来的な組立工場は3つの発展段階があり、段階が進むごとに組立作業に必要な人間の数は減っていくという。「生産ライン自体に人を配置するなんてできません。そんなことをすると人間のスピードにまで落ちてしまいます」とマスクCEOはいう。残る作業員は機械の保守と更新および「異常の修正」を担当するという。

マスクCEOは、テスラの成功に呼応して、電気自動車への野心を加速した上海やデトロイトの自動車メーカーとの新しい競争に直面している。もっとも進んでいるGMは、年内にテスラのモデル3に対抗するシボレー・ボルトの製造を開始する(ヨーロッパではオペル・アンペラとして販売される)。

GMの自動車製造はテスラの手法と重要な点で対照的だ。現代的な装備を使っているとはいえ、GMの製造システムはストレス試験を経た、数十年にわたる漸次的な改善の積み重ねであり、高品質を保証するとともに消費者の需要を満たすよう設計されている。このため、小売業者や消費者への自動車の流れが止まったり遅れたりするリスクはほとんどない。

一方、テスラは一貫して生産予測どおりに作れないでいる。前代未聞のやり方で運用される工場生産システムをテスラが開発し、デバッグできると仮定しても、マスクCEOが約束した内容には唖然とさせられる。テスラはそれまでの予測を2年早めて、2018年に50万台を出荷するというのだ。この目標が達成されれば、テスラの供給力は年あたり50%増加し、2 …

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