フラッシュ2022年3月4日
-
アルツハイマー病因分子に影響与える微生物由来の代謝物=京大ら発見
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]京都大学などの研究グループは、土壌微生物叢(マイクロバイオーム)の代謝物から、アミロイドβの産生に影響を与える代謝物を2種類確認した。アミロイドβは、アルツハイマー病の代表的な病因分子の1つ。
研究では、放線菌類を中心とする細菌65種と、多様な真菌33種から抽出した98種の二次代謝物からなるライブラリーを用意。代謝物を、家族歴がない孤発性アルツハイマー病患者由来のiPS細胞から分化した大脳皮質神経細胞に添加して、アミロイドβの産生動向を確認した。その結果、「ベルカリンA」と「Mer-A2026A」が、濃度の変化に応じてアミロイドβの産生動態を変化させることが分かった。ベルカリンAは、土壌のミロテキウム属が生産する化合物で、低濃度では神経細胞に損傷を与えることなく、アミロイドβの産生量を大きく減少させた。Mer-A2026Aは、土壌由来のストレプトマイセス属細菌ストレプトマイセス・パクトムの培養液から分離された化合物で、今回の研究では危険なアミロイドβを増加させる場合と、アミロイドβ全体の産生量を減少させる場合の2つの性質を確認できた。
研究グループは、ベルカリンAがアミロイドβ産生量を減少させる治療薬につながる可能性があるとしている。研究成果は3月2日、「サイエンティフィック・レポーツ(Scientific Reports)」誌にオンライン掲載された。
(笹田)
-
- 人気の記事ランキング
-
- What’s next for Chinese open-source AI ディープシーク騒動から1年 中国のオープンモデルが 世界の開発者を席巻している
- Promotion Emerging Technology Nite #36 Special 【3/9開催】2026年版「新規事業の発想と作り方」開催のお知らせ
- EVs could be cheaper to own than gas cars in Africa by 2040 アフリカでEVがガソリン車より安くなる日——鍵は「太陽光オフグリッド」
- Is a secure AI assistant possible? 大手が出せなかったAI 「OpenClaw」の衝撃 安全性対策に特効薬なし
- RFK Jr. follows a carnivore diet. That doesn’t mean you should. 「肉か発酵食品しか食べない」米保健長官が目指す「健康な米国」
