フラッシュ2022年5月26日
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高性能な次世代不揮発メモリ材料を開発、実用化へ前進=阪大など
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]大阪大学と東京工業大学の研究グループは、次世代不揮発メモリの材料として期待されている強磁性体(磁石)と圧電体の接合構造(スピントロニクス界面マルチフェロイク構造)を新たに開発し、世界最高性能(磁気電気結合係数)を達成した。半導体の電力消費量が爆発的に増える中、低消費電力で動作する不揮発性メモリの実現が期待されており、実現へ向けた前進となる。
強磁性体と圧電体の2層からなる界面マルチフェロイク構造は、電流を印加せずに電界を印加することでデータを書き込めるため、消費電力を抑えられる。より小さな電界で大きな磁化の変化が発現する材料を探す研究が世界中で進んでいるが、実用化の目安となる磁気電気結合係数10-5s/m(ジーメンス毎メートル)を超えることはできていなかった。
今回の研究では、Co系ホイスラー合金磁石の一種であるCo2FeSiと、高い圧電性能を有する圧電体の一種PMN-PTを組み合わせ、新しい界面マルチフェロイク構造を作製した。世界で初めて磁気電気結合係数10-5s/mを超え、さらに電界印加による不揮発メモリ状態の繰り返しスイッチングの実証にも成功した。
研究成果は5月20日、「NPGアジア・マテリアルズ(NPG Asia Materials)」誌にオンライン掲載された。
(笹田)
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