フラッシュ2022年9月20日
OISTなどが量子誤り訂正の新手法、従来より高速・高効率
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]沖縄科学技術大学院大学(OIST)、アイルランドのダブリン大学トリニティカレッジ、オーストラリアのクイーンズランド大学の共同研究チームは、量子誤り訂正(QEC:Quantum Error Correction)の新技術を考案。ノイズを含む部分的な「シンドローム測定(2つの隣接する量子ビットの向きが揃っているかどうかを評価すること)」から、誤りを迅速かつ効率的に検出し、訂正できることを示した。
研究チームが考案した量子誤り訂正の手法では、強力な従来型のコンピューターを「推定器」として使う。推定器が量子コンピューターの量子ビットを連続測定することで誤りを検出し、適切なフィードバックをして誤りを訂正する。同チームが「連続測定」と呼んでいる今回の手法は、これまで量子誤り訂正に使われてきた「射影測定」よりも高速で、資源効率も良く測定できるという。
研究成果は、科学誌フィジカル・レビュー・リサーチ(Physical Review Research)に9月14日付けで掲載された。研究チームは、この新しい量子誤り訂正の手法は理論モデルに基づくものであるため、量子コンピューターを用いた実験によるさらなる検証が必要になるとしている。
(中條)
- 人気の記事ランキング
- The Biggest Questions: Are we alone in the universe? 地球外生命体は存在するか? 人類の先入観を超えた探索
- Google DeepMind wants to define what counts as artificial general intelligence 汎用人工知能(AGI)とは何か? ディープマインドが定義を提案
- Huawei’s 5G chip breakthrough needs a reality check 中国テック事情:ファーウェイ「独自チップ」衝撃も厳しい現実
- Text-to-image AI models can be tricked into generating disturbing images AIモデル、「脱獄プロンプト」で不適切な画像生成の新手法