フラッシュ2022年9月22日
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東工大など、量子アニーリングでの大規模シミュレーションに成功
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東京工業大学などの共同研究チームは、2000量子ビット(キュービット)の量子アニーリングマシンを用いて物質中の欠陥の分布のシミュレーションを実行し、ノイズのない理想的な環境下での量子相転移の理論とほぼ完全に一致する結果を得ることに成功した。2000量子ビットを有する大規模な超伝導人工量子系が、ノイズの影響を受けずにほぼ完全に動作することを実証したのは世界初だという。
研究チームは今回、従来の1000分の一にあたる1ナノ秒程度というごく短い時間スケールで、2000個の超伝導量子ビットを同期的に動作させるデバイス制御技術を開発。熱雑音の影響が量子ビットに現れる前に、短時間でシミュレーションを終わらせることにより、量子力学に基づく量子相転移の理論の正確な検証を可能にした。アナログデバイスである量子ビットの持つ誤差を精密に補正するキャリブレーション技術を開発してデータの信頼性を大きく向上させたことも、今回のシミュレーションの成功に寄与したとしている。
量子アニーリングマシンを用いた従来の量子シミュレーションでは、実行に1マイクロ秒以上の時間が必要だったため、その間に熱雑音が混入し、純粋な量子力学理論とは十分には一致しないデータしか得られていなかった。今回の技術を応用することにより、古典コンピューターでは検証困難な規模の動的量子現象を量子シミュレーションで解明することが可能になり、物質の量子力学的な性質の研究やそれに基づく開発が進展することが期待される。
研究は、東工大、Dウェーブ(D-Wave)、埼玉医科大学、南カリフォルニア大学との共同研究として実施され、ネイチャー・フィジックス(Nature Physics)のオンライン版に9月15日付けで掲載された。
(中條)
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