フラッシュ2022年11月19日
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イヤホン型ウェアラブル機器でふらつきを測定、北里大など
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]北里大学と慶應義塾大学の研究グループは、加速度センサーを内蔵したイヤホン型機器で頭部運動を追跡し、ふらつきを測定するシステムを開発した。従来、メニエール病や更年期障害、起立性低血圧などによるふらつきやめまいを診断するには、医療機関で重心動揺検査などの検査を実施する方法がある。ただ、検査では検査時の状態を測定するだけで、日常生活で起こるふらつきやめまいについては患者の主観的な訴えから診断するしかなかった。
研究グループは、病院外でふらつきやめまいの症状を経時的に追跡する客観的な検査方法を確立するために、加速度センサーを内蔵するイヤホン型機器で患者の頭部運動を追跡することを考案した。ただし、加速度センサーを内蔵するイヤホン型機器では頭の揺れは測定できても、その揺れが身体の揺れ、足圧中心の揺れを反映しているかについては分からない。
そこで三脚を人体に見立てて、頭部に相当する位置にイヤホン型機器を設置して頭の揺れを測定し、足部の重心の運動を医療機関で使用する重心動揺計で測定して、両方の測定結果の関係を比較した。その結果、イヤホン型機器で測定した頭部の揺れと重心動揺計で測定した足部の重心の運動に正の相関があることが分かった。イヤホン型機器で測定した結果でも、適切な信号処理を加えることで、患者の平衡障害を経時的に測定し、変動するめまい症状を追跡できる可能性を示す結果だ。
研究成果は10月11日、ジャーナル・オブ・メディカル・システムズ(Journal of Medical Systems)に掲載された。今後は病院外でのめまい症状の記録や疾患の診断に活用することを目指すとしている。
(笹田)
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