フラッシュ2022年12月16日
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生物工学/医療
オミクロン株BQ.1.1系統とXBB系統、既存抗体薬はほぼ効果なし
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東京大学、国立国際医療研究センター、国立感染症研究所、米国ウィスコンシン大学の研究グループは、新型コロナウイルスのオミクロン株BQ.1.1系統とXBB系統に、国内で承認を受けている抗体薬3種類、未承認の抗体薬1種類、抗ウイルス薬3種類がどれほど効果を発揮するのかを調べた。
研究グループは患者から分離したBQ.1.1株とXBB株を使って、治療薬の効果を調べた。その結果、国内で承認を受けている抗体薬3種類(カシリビマブ・イムデビマブ、ソトロビマブ、チキサゲビマブ・シルガビマブ)のBQ.1.1株とXBB株に対する感染阻害効果(中和活性)は著しく低いことが分かった。イーライリリーが開発した抗体薬「ベブテロビマブ」についても、BQ.1.1株とXBB株に対する中和活性を調べたが、同様に著しく低いという結果になった。
一方、3種類の抗ウイルス薬(レムデシビル、モルヌピラビル、ニルマトレルビル)はすべて、BQ.1.1株とXBB株に対して、従来株に対する増殖抑制効果と同程度の高い効果を示した。
研究成果は12月8日、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(New England Journal of Medicine)誌にオンライン掲載された。
(笹田)
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