フラッシュ2023年4月25日
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気候変動/エネルギー
チウム空気電池、寿命6倍に カソード材料を開発=東北大など
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東北大学、信州大学、スロバキア科学アカデミー、オーストリア自然資源・生命科学大学、岡山大学、大阪大学、上海科技大学の研究グループは、リチウム空気電池の充放電サイクル寿命を大幅に延ばす新しいカソード(正極)材料を開発した。リチウム空気電池は高いエネルギー密度が期待されるものの、充放電時にカソードが劣化しやすいという課題があった。研究チームは、カソードの劣化を抑えることを目指し、新素材「グラフェンメソスポンジ」を用いた。
グラフェンメソスポンジは、約7nmの泡状ナノ細孔を持ち、これらが互いにくっつき合っている特殊な構造をしている。この素材を使うことで、従来のカーボン材料よりも大幅に容量が増加し、耐久性も向上した。これは、グラフェンメソスポンジが1800℃での熱処理によりエッジサイトを潰し、劣化を引き起こす原因を取り除いたためである。
また、この素材にはトポロジー欠陥があり、これがカソードの電位を下げ、充電効率を改善することが分かった。非晶質のLi2O2ナノシートが析出し、これが低電位で分解するためである。この発見は、リチウム空気電池の実用化に向けた大きな進歩であり、カソードの劣化問題を解決することが示された。
研究成果は4月10日、「アドバンスト・サイエンシズ(Advanced Science)」誌に掲載された。
(笹田)
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