まばたきできる人工の「目」、ペンシルベニア大が開発
これが「目」だというのだろうか? そのとおりだ。この装置を開発した研究者たちによると、生体力学に基づいて作られ、人間の細胞を含むこの「目」は、いずれは動物実験の代わりに使える可能性があるという。
人工の目を作り出すのは容易ではない。目はかなり複雑な器官であることが分かっている。この人工の目には、実際の人間の角膜細胞にある薄膜と、結膜と呼ばれる透明な膜が使われている。
しかし、この人工の目が実際に物を見たり、認識したりする心配はない。装置を作成したペンシルベニア大学のバイオエンジニアたちによれば、単に目の外側を模倣しているだけだ。
この目は偽物の涙も流す。研究者たちは「不自然な涙」と呼んでいるが、呼び方は何であれ、本物の目に近づけるには潤滑剤を加える必要がある。研究者によると、この人工の目は、ドライアイ用の医薬品を開発する試験に使用されたという。
装置の詳細については、8月5日付のネイチャー・メディシン(Nature Medicine)に掲載された、ドンガン・ハーのチームによるレポートを参照されたい。