KADOKAWA Technology Review
×

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

音声認識AIをこっそり騙す方法、UCバークレーの研究者ら開発
Jason Rosewell | Unsplash
A New Trick Can Spoof a Speech Recognition AI Every Time

音声認識AIをこっそり騙す方法、UCバークレーの研究者ら開発

実質的には同じ音声なのに、音声波形を利用することで、音声認識ソフトウェアがまったく異なる内容を書き起こす音声を作成できるようになった。

敵対的サンプル(Adversarial examples)によって、多くのコンピューター・ビジョン・アルゴリズムが欺かれてきた。あらゆるニューラル・ネットワークは敵対的な攻撃に弱い性質を持つが、音声に関してはなかなかうまくいかなかった。これまでの攻撃では、ソフトウェアが聞き取る音声をわずかに変えることしかできなかったのだ。

カリフォルニア大学バークレー校の研究者らは波形を利用して音の層を足すことで、最先端の音声認識AIであるディープスピーチ(DeepSpeech)を毎回欺けることを示した。この手法を使うことで、音楽を任意の発言や不明瞭な音声としてAIに認識させ、書き起こされないようにできる。

たとえば、YouTubeのミュージック・ビデオをスピーカーで再生しているときに、アレクサ(Alexa)が2トンのクリームコーンの注文を「聞き取った」らどれだけ迷惑だろうか。AIへの攻撃を防ぐ対策は不可欠だ。

jackie.snow [Jackie Snow] 2018.01.12, 14:24
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る