玄関までお運びします——二足歩行の配達ロボ、フォードが導入
米国のスタートアップ企業アジリティ・ロボティクス(Agility Robotics)は、自社開発の二足歩行ロボット「ディジット(Digit)」を1月6日に発売した。最初の顧客は、大手自動車メーカーのフォードだ。フォードは2019年5月から、車から玄関までの配達用ロボットとしてディジットをテストしてきた。
小柄な大人ぐらいの大きさのディジットは、最大18キログラムの荷物を運ぶことができ、カメラやライダー(LIDAR:レーザーによる画像検出・測距)センサーを使って半自律的な移動が可能。誘導なしで箱を持ち上げたり、置いたりできるが、障害物の回避のような移動には遠隔操作システムを使った人間の助けが必要だ。動作中のディジットの映像はここで公開されている。アジリティ・ロボティクスのダミオン・シェルトンCEO(最高経営責任者)は1体あたりの価格にについて明言を避けたが、ザ・バージ(The Verge)に対して「価格は6桁台前半(ドル)」と語っている。つまり、高価だということだ。
現在のところ、ディジットは荷物を配達する手段としてテストされているが、将来的には倉庫や工業検査での使用もありそうだ。とはいえ、ディジットはまだ開発途上の製品だけに過剰な期待は禁物だ。アジリティ・ロボティクスは2020年内にディジットを最大30体製造する計画だが、人間に囲まれた無秩序な作業環境でのテストはまだ不十分だ。