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AIの非ブラックボックス化へ前進、酵母細胞の働きを説明
AI that describes how yeast works will help scientists model biology better

AIの非ブラックボックス化へ前進、酵母細胞の働きを説明

酵母細胞の機能を完全に説明してくれる機械学習アルゴリズムが、医学研究分野におけるより精密なシミュレーションに役立つかもしれない。

実質的に、すべての人工知能(AI)システムはブラックボックス、すなわち中身を調べられないアルゴリズムである。画像認識のテック企業ならそれでも構わないかもしれないが、生物学者はアルゴリズムが何をしているかを理解したいと思うはずだ。そうでないと、AIを信頼してよいかどうかがわからなくなってしまう。

このほど、これまでによく研究された単細胞の有機体である醸造用酵母の全機能をニューラル・ネットワークに対応付けた研究がIEEEスペクトラム(IEEE Spectrum)に掲載された。この対応付けにより研究者は、AIがどのように生物学的な挙動を説明しているかを理解でき、AIを信頼のおける研究ツールと見なせるようになる。

研究で開発したアルゴリズムによってすでに、酵母の細胞生物学に関する新たな洞察が見つかっている。人間の細胞に適用すれば、特定個人向けの治療のシミュレーションをしたり、新しい医薬品を発見したりして、医学の進歩を加速できる可能性がある。

だが、酵母と人間の細胞には大きな隔たりがある。さらに、コンピューター科学者を悩ませるいつもの問題、つまりデータが必要であるということが、複雑な人間のモデルを洗練しようとする医学研究者の障壁となるだろう。 もちろん、いつの日かは、コンピューター画面上でまさしくゲノムを設計できるようになっているかもしれない。

jackie.snow [Jackie Snow] 2018.03.15, 13:17
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