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サンゴか? 石炭か? 今週末のオーストラリア地方選で争点 An Election in Australia Is Shaping Up as a Fight over Coal Energy

サンゴか? 石炭か? 今週末のオーストラリア地方選で争点

オーストラリアのクィーンズランド州で25日に行われる州議会選挙で、新たな雇用を創出するか、世界最大のサンゴ礁地帯であるグレート・バリア・リーフを救うかが争点になっている。

環境問題を懸念する労働党は、クィーンズランド州で計画中のアダニ・グループ(Adani Group)炭鉱への鉄道路線の延長に対する連邦政府の9億ドル拠出を却下すると約束している。この路線延長は、内陸からグレート・バリア・リーフに沿って石炭を港に運ぶために必要になるのだ。一方、自由国民党は、炭鉱が支える何千人もの雇用を守り、失業率が12%を超える地域に雇用を提供したい考えだ。両党とも「サンゴか石炭か」と問題を強調し、どちらを選択するか投票者に訴えている。

炭鉱自体は海岸から何百キロも離れているが、実際にはグレート・バリア・リーフに被害を与える可能性がある。石炭の粉塵や破片は、輸送中にサンゴ礁周辺の水域を汚染し、サンゴに有害な影響を及ぼす可能性がある。さらに、石炭の燃焼がサンゴ礁周辺で増加すると、海水が暖められサンゴ白化の原因となる。オーストラリア保護財団は、炭鉱が60年間稼働すれば23億トンの石炭を生産し、燃焼によって47億トンの二酸化炭素が発生すると推定している。

他の国々が石炭からの転換を約束している一方で、オーストラリアは引き続き石炭に依存している。最近、石炭生産量が増加した米国ですら、石炭は米国の発電量全体のわずか30%程度でしか使っておらず、減少を続けている。一方、オーストラリアの場合は75%が石炭を使った発電だ。

エリン・ウィニック [Erin Winick] 2017.11.24, 5:57
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