KADOKAWA Technology Review
×
【4/24開催】生成AIで自動運転はどう変わるか?イベント参加受付中

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

小学生1万7000人にスマートウォッチを無償配布=中国・広州市
Hu Yan/Imaginechina
China’s government has given location-tracking watches to 17,000 children

小学生1万7000人にスマートウォッチを無償配布=中国・広州市

中国の衛星測位システム「北斗」を利用する新しいスマートウォッチは、子どもたちの位置を誤差10メートルの精度で特定できる。

広州日報(リンク先は中国語)によると今年7月、広州市内の小学校60校の児童1万7000人が、手首に着けるタイプのかわいらしい新型ガジェットを受け取った。「セーフ・キャンパス・スマートウォッチ(Safe Campus Smartwatches)」と名付けられたウェアラブル端末は、子どもたちの位置をそれぞれの保護者のスマートフォンにリアルタイムで送信する。また、緊急事態に備え、電話をかける機能も付いている。

広州市政府によると、スマートウォッチの提供は、保護者が子どもたちの安全を守ることを支援する新構想の一部だという。参加は任意で、これまでのところ8000人の児童がスマートウォッチを登録してオンラインにしている。このプロジェクトでは、近日中に合計3万人を超える年配者にも今回のスマートウォッチと似た「セイフティ・ブレスレット(safety bracelet)」を支給する予定だ。

スマートウォッチには、中国版GPSである「北斗衛星導航システム(北斗衛星導航系統)」を使用する測位チップが搭載されている。屋内測位システムのモジュールも搭載されており、GPSとの互換性もある。開発企業によると、誤差10メートルの精度で位置を特定できるという。

おそらくこれは、ほんの始まりに過ぎない。今回の計画は、北斗の位置追跡能力を示す初の大規模なデモンストレーションであり、広州日報の記事は搭載チップの国内での開発生産を強調している。どうやら開発企業は、将来的に位置追跡サービスをより広範囲に提供する野心を持っているようだ。

今回の取り組みは、顔認識やモバイル・データの収集、その他のテクノロジーを使って急速に拡大している中国の監視能力強化の最中に起きた。衛星によって可能となった位置の追跡は、より一層精密な政府による新たな監視を追加することになるかもしれない。

カーレン・ハオ [Karen Hao] 2019.08.13, 14:49
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
【春割】実施中! ひと月あたり1,000円で読み放題
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る