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コインベースが金融会社買収でICO合法化へ先手、肥大化に懸念も
Anthony Harvey | Getty
Coinbase is starting to look a lot like a traditional big tech company

コインベースが金融会社買収でICO合法化へ先手、肥大化に懸念も

米国で人気の暗号通貨取引所コインベース(Coinbase)が急成長し、暗号通貨がこれまで回避しようとしていた従来型の金融関連企業と似通ってきた。

コインベースは新たに暗号通貨カルダノ(Cardano)、ベーシック・アテンション・トークン(Basic Attention Token)、 ステラ・ルーメンズ(Stellar Lumens)、ジーキャッシュ(Zcash)、ゼロエックス(0x)の「追加を検討中」だと明らかにした。コインベースが現在取り扱っている暗号通貨はビットコイン、 ライトコイン(Litecoin)、 イーサリアム(Ethereum)、ビットコイン・キャッシュ(Bitcoin Cash)、 イーサリアム・クラシック(Ethereum Classic)の5種類だ。同じく重大ニュースとして、7月16日、 コインベースは証券ブローカー・ディーラー業務などを手がける3社の買収について、米証券規制当局の「承認」を得たとブルームバーグが伝えている。この買収により、コインベースは「トークン化」した有価証券を取引する初の認可プラットホームとなる可能性がある。

コインベースのような大規模な取引所は、暗号トークンの知覚価値を高め、大量の資金を集める。一方で、取引のプロセスを統制するルールは極めて少なく、取引所で扱われるべき暗号通貨はどれか、という議論は始まったばかりである。事を複雑にしている原因はつまるところ、どの暗号通貨が商品で、どれが証券で、はたまた、何か別の物なのかといったことについて、米国やその他の国々の規制当局が明確化できていないことにある。

時価総額80億ドルともいわれるコインベースは、ここ最近、急激に拡大している。コインベースのことを開花しつつある「暗号通貨のグーグル 」と呼ぶ人もいる。だが、それでは非常に多くの暗号通貨愛好家が信奉する「非中央集権化」の理想とは対極ではないだろうか。結局、旧来の支配者と同じような新しい新しいが現れた、ということなのだろうか。

(冒頭写真: コインベースのブライアン・アームストロングCEO)

マイク オルカット [Mike Orcutt] 2018.07.19, 12:17
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