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年齢ターゲティングの求人広告は差別、フェイスブックの言い分
Mpumelelo Macu | Unsplash
Facebook Lets Firms Exclude Older People from Job Ads

年齢ターゲティングの求人広告は差別、フェイスブックの言い分

アマゾン、ベライゾン(Verizon)、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)などの企業はフェイスブックの広告ターゲティング・システムを使って若者に直接求人情報を表示しているが、年配者には表示されないようにしている。非営利・独立系の報道機関プロパブリカ(ProPublica)とニューヨーク・タイムズ紙が報じた

記事によると、「数十」の企業が求人広告を特定の年齢層に限定して配信していることがわかった。たとえば、ベライゾンは25歳から36歳の年齢層を求人広告のターゲットとし、広告には、ぴかぴかのオフィスのデスクにミレニアル世代が座っている画像を多く使っている。

何が問題なのか? 雇用問題専門のデブラ・カッツ弁護士は、こうした手法は「明らかに違法」だとフェイスブックに伝えた。1967年に成立した、米国の雇用における年齢制限禁止法(ADEA:The Age Discrimination in Employment Act of 1967)は、企業や団体が40歳未満の人を優先的に雇用することを禁じている。移動通信サービスのTモバイル(T-Mobile)やアマゾンは、フェイスブックの広告プラットホームを利用してある種の年齢差別をしているとして、労働者らに名指しで訴えられている。

フェイスブックの弁明はこうだ。「節度があれば、雇用目的のためにある年齢層をターゲットとするのは、業界の慣習であり、正当な理由もあり、容認されています。求人側とすべての年齢層の人が仕事を見つけるのを支えています」という主張だ。

だが、MITテクノロジーレビューではその反証となる記事を掲載している。フェイスブックの広告テクノロジーは、企業が人種や民族を理由に広告をブロックすること、反ユダヤ主義を促進できるという記事だ。 今回の話も同じようなことだ。この問題をより広く捕らえたアトランティック(The Atlantic)誌は「フェイスブックは人権侵害で裁きを受けるのか」という記事で、最近のフェイスブックの言動に疑問を投げかけている。

ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe] 2017.12.25, 12:28
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