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グーグル、ネットの不適切な書き込みの排除へAI開発コンテスト
Scott Rodgerson | Unsplash
Perceptive Algorithms Are Battling to Spot More of the Web’s Toxic Content

グーグル、ネットの不適切な書き込みの排除へAI開発コンテスト

新たな競争はインターネットを浄化するのに役立つ可能性がある。企業や団体が提示した課題に対してデータ・サイエンティストが解決策を競うサイト「カグル(Kaggle)」は、最新の課題を発表した。新しい課題は参加者に、有害なコメントを見つける人工知能(AI)の構築を求めている。

参加者は、「脅迫、わいせつ、侮辱、人格に対する嫌がらせなど異なるタイプの害毒」を見つけるシステムを作ることになる。新しい課題を後援するアルファベット(グーグルの親会社)のテクノロジー育成グループ「ジグソー(Jigsaw)」は、オンラインでの議論を改善する「カンバセーションAI(Conversation AI )」と呼ばれる研究の先駆者だ。カグルで3万5000ドルの賞金を得るには、ジグゾーのパースペクティブAPI(Perspective API)で構築されたシステムの結果を上回らなければならない。12月19日に提示されたこの新しい課題には、199のチームが取り組んでいる。

確かに、インターネットには脅迫や嫌がらせを排除する、よりよいツールが必要だ。過去にはフェイスブック、ユーチューブ、ツイッターがそうしたコンテンツの取り締まりに取り組んできた。将来はAIがその取り締まりに役立つと大手テック企業は主張する。しかし、どの企業も達成できておらず、嫌がらせを即刻排除できないことに政府は不満を持っている

それでも大手テック企業は努力している。フェイスブックは2016年にディープテキスト(Deeptext)というツールを立ち上げ、不適切なコンテンツを根絶するため感情的なコメントを検出している。これにより、1週間で約6万6000件のコメントを削除したが、まだ何千もの人の目によってフィードを監視している。一方、ツイッターは12月第4週に、脅威的なツイートやメッセージを送信するアカウントを停止すると発表した。

おそらく、カグルでの競争は、最終的にこの問題を解決するのに役立つだろう。

jackie.snow [Jackie Snow] 2017.12.22, 7:57
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