KADOKAWA Technology Review
×

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

名大が空気から肥料を作り出す植物を研究中、農業革命なるか Plants with the function to produce fertilizer themselves revolutionize agriculture

名大が空気から肥料を作り出す植物を研究中、農業革命なるか

通常、植物の栽培には窒素とリン酸、カリウムが肥料として必要になる。なかでも窒素は、農作物の栽培に重要な肥料だ。現在ほとんどの窒素肥料は大量の化石燃料を消費して作られ、大量の二酸化炭素を排出するなど地球に優しくない。

名古屋大学大学院生命農学研究科の藤田祐一教授のグループが取り組んでいるのは、農作物自身が空気中の窒素を肥料に変える研究だ。本来、そういった能力を持つ植物は存在しないが、微生物の中には酵素を使って空気中の窒素を肥料成分に変える能力を持つものがいる。その微生物の遺伝子を植物に組み込むことで、植物にも空気中の窒素を肥料成分に変える能力を持たせようとしている。研究はまだ初期段階で、空気を肥料とした農業の実現にはもう少し時間がかかりそうだ。

だが、地球温暖化や異常気象に加えて、爆発的な人口増加の影響による世界規模の食糧不足問題も待ったなしだ。その対策として、遺伝子組み換え遺伝子編集などさまざまな品種改良が研究されている。空気を肥料とした農業も、栽培の手間やコストが軽減されるなど、より効率的な農業の実現で食糧不足問題の対策に貢献できるだろう。

元田光一 [Koichi Motoda] 2018.05.25, 9:55
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る