ウイルスに感染しないヒト細胞、国際コンソーシアムが作成へ
ゲノム合成の国際コンソーシアム「GPライト(GP-write)」は5月1日、研究室においてヒト細胞のゲノムを改変して、ウイルスに抵抗力を持たせるようにする計画を発表した。
ヒトのゲノムは、タンパク質を構成するアミノ酸配列を指示するのに3文字の「コドン」(AGTやCATなど)を用いる。しかし、必要のない余分なコドンの存在が判明している。GPライトの計画はシンプルである。余分なコドンを取り除くのだ。それは、約2万個のヒト遺伝子に40万の改変を施す大がかりな遺伝子編集になる予定だ。
GPライトの目標は、ヒトゲノムを容易に合成できるようにすることだ。これまでのところ資金が不足しているが、バイオテク企業であるセレクティス(Cellectis)が自社のテクノロジーを提供すると申し出ている。今回発表された取り組みには、約10年かかると予想されている。
取り除かれる余分なコドンは、ウイルスが細胞内で増殖するのに用いるものだ。そのため、ゲノムを書き換えた細胞は、基本的にウイルスに感染しなくなるはずである。このような「超安全」な細胞は、医薬品の製造にヒト細胞を使うバイオテク産業に役立つという。
ウイルスに感染しないヒトが誕生する可能性はあるのだろうか? 計画のリーダーであるハーバード大学医学部のジョージ・チャーチ教授によると、可能性としては確かにあるという。チャーチ教授はかつて、ゲノムを書き換えられたヒトは合成生物学の「クライマックス」となるだろうと記している。
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