チップ欠陥の正体が判明、影響は全メーカーにおよぶ恐れ
さまざまプログラムに個人データを公開してしまう恐れのある半導体チップの欠陥は、今やPCだけの問題ではない。世界中のほとんどのコンピューターや多くの携帯電話にも被害を及ぼすことが明らかになった。
現在問題になっているインテル・チップのバグは、昨日の記事で伝えた(日本語版注:英文サイトに掲載されている記事では、公開後に以下の記述が追加された。「携帯電話メーカーでよく使われているARMの半導体も欠陥の影響を受ける。AMDのチップも影響を受けるが、同社の製品のリスクはゼロに近いとアクシオス(Axios)に述べた」)。
実はこれらのバグは、メルトダウン(Meltdown)とスペクター(Spectre)と呼ばれる2つの似通った欠陥によるもので、インテル以外の他社のハードウェアにも影響を及ぼす。チップにこれらの欠陥があると、普通のプログラムが、本来ならプロセサー用に保護されているはずのメモリー上の領域を覗き込めるようになってしまう。
チップメーカーのARMとAMDによると、両社製の半導体の中にもスペクターの攻撃を受けるものがあるという。インテルと合わせると、現在使われているほとんどのスマホやコンピューター、サーバーが攻撃に対する脆弱性があることになる。
メルトダウンは対処が比較的簡単で影響がインテルのチップに限られており、デバイスの処理性能を遅くさせるソフトウェア・パッチで解決されつつある。一方、スペクターは対処が難しいかもしれない。ソフトウェア・パッチでは対応できず、チップの再設計を余儀なくされる可能性がある。
- 参照元: Meltdown Attack
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