深層学習の過大評価は危険、ウーバーAI研究所の前所長が指摘
人工知能 (AI) には果たしてニューラル・ネットワーク以上の意味があるのだろうか。かつてウーバー(Uber)でAI研究所の所長を務めたニューヨーク大学のゲイリー・マーカス教授(心理学)はこんな問いかけをしている。
マーカス教授はニューラル・ネットワークを使う深層学習システムについての評論を発表し、その中で、現在のAIのいくつかの誇大広告について批判している。
マーカス教授は、いまや「AIの広告塔」となっている深層学習が直面している主なハードルを、データ不足や汎化の欠如といった10項目にまとめて、AIは世間で論じられているような万能薬ではないと論じている。深層学習には限界があるというのだ。真偽はわからないが、賛同したくなる誘惑にかられる(「人工知能バブル、3度目の冬はやってくるのか」を参照)。
誇大広告は得てしてリスクを伴う。マーカス教授は人々が深層学習の能力を過大に評価すれば、期待がひどく裏切られたときに、AI研究者たちの新しいアイデアへの挑戦を妨げるだけでなく、新たなAIの冬の時代をもたらすことになると主張している。
しかしマーカス教授は深層学習を完全に否定しているわけではない。万能の解決策としてではなく、現時点では単に数多くあるツールのうちの1つとして深層学習をとらえるべきだと提案している。
- 参照元: arXiv